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物価急騰、仏大統領選への影響

Japan In-depth / 2022年3月12日 13時30分

写真)ガソリンスタンドで給油するタクシードライバー フランス・パリ 2022年3月2日


出典)Photo by Chesnot/Getty Images


また、通常時には軽油の方がガソリンよりも値段が安かっため、フランスではディーゼル車に乗る人が多かったぐらいだが、ロシアからの石油輸入に関して決定される可能性がある禁輸措置による影響で前例のない異常事態がおきている。ガソリンよりも軽油の方が値段が高いガソリンスタンドもでてきたのだ。今後起こりうる状況に備え、ロシアからの購入を制限し、北米または中東からの購入に切り替えているためである。


そんな中、ガソリン車をトウモロコシやサトウキビを原料としたバイオエタノール燃料車に切り替えようと、ユニットの設置を手掛ける自動車修理店に注文が殺到している。


ユニット設置には、700ユーロから1600ユーロの費用がかかるが、3月11日時点で、1リッターあたり、ディーゼル2.19ユーロ、ガソリン95が2.08~2.09ユーロであるところ、バイオエタノールが0.91ユーロであることを考えると、すぐに元が取れると利用者は期待している。


だが、物価の上昇はガソリンだけにとどまらず、小麦、原材料にも大きく影響をあたえている。ガス代、電気代の高騰も顕著だ。フランスのテレビでは省エネ生活の方法を紹介するニュースも増えた。今後の生活に国民の不安は募るばかりである。


このような状況の中、国民の要求にどこまで対応していけるか。今期の大統領に課された課題は大きく、通常時よりもより強い指導力を持つ人物が求められている。


 


■ 日本-ヨーロッパ便への影響


ロシアとウクライナ間の戦争は、日本とフランス間のフライトにも影響をあたえている。今後発生しうるさまざまなリスクを考慮し、JAL, ANAなどの欧州線の一部が便を欠航、または、通常とは異なる飛行ルートを利用して運航している状況だ。少なくとも3月16日までは続くことになっている。


 


また便数が減った結果、日本からヨーロッパ行の空路での郵便物も一時停止されることとなった。具体的には、英国やドイツ、フランス、ベルギー、フィンランドなどへの国際郵便物のうち、航空便と国際スピード郵便(EMS)の引き受けが一時停止される。なお、郵便が全て停止するわけではなく、船便は継続される予定だ。


ガソリン、ガス代の高騰、飛行機欠航、郵便物の一時停止など、フランス国内で直接起こっている戦争ではないが、それでもフランス国民にも大きな影響を与えている。先日行われた農業物産見本市でもマクロン大統領はこの状況は長引くと語っており、今後ますます不便になるだろう。こういった状況に対応するために、今からそれなりの心がまえも必要であるとともに、次期の大統領に大きな期待がかかる。


 


参考リンク


 


BFMTV調査 - 大統領選挙:マクロンが第1回投票で33.5%に急上昇、ルペンの15%、メランションの13%を上回る


 


ウクライナ戦争:なぜヨーロッパはロシアの石油とガスの禁輸措置をとらないのか|TF1 INFO


 


Guerre en Ukraine : des PME françaises à la peine


 


ウクライナ戦争:苦戦するフランスの中小企業


 


一部のガソリンスタンドで軽油がガソリンより高い理由


 


3月11日の燃料価格:ガソリンとディーゼルの値下げはなし


トップ写真)エリゼ大統領宮殿で、アルメニアのニコルパキニアン首相を歓迎するマクロン仏大統領 2022年3月9日 フランス・パリ


出典)Photo by Antoine Gyori /Corbis via Getty Images


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