1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

韓国大統領選を読み解く(上)

Japan In-depth / 2022年3月13日 12時0分

開票は、序盤に大きくリードした李在明を、尹錫悦が少しずつ追い上げる展開となった。10日深夜、開票率が約50%の時点で両者の票数が逆転する。その後、尹錫悦と李在明の差は広がらないまま、未明に尹の当選が確実となった。





3月10日、中央選挙管理委員会によると、尹錫悅は1639万4815票(得票率48.56%)を獲得して当選(d)を果たした。一方、李在明は1614万7738票(同47.83%)を獲得した。両候補の票差は24万7077票、得票率では0.73ポイントの差である。1987年大統領直接選挙制への改憲以来、歴代最小の格差となった。





なお、「正義党」の沈相奵(シム・サンジョン)候補は80万3358票(同2.37%)、「国家革命党」の許京寧(ホ・ギョンヨン)候補は28万1481票(同0.82%)に終わっている。





今回の大統領選は、かつて民主党を圧倒的に支持していた(1)20〜30代、(2)ソウル市、(3)全羅道等の有権者の支持が変化し、尹錫悦勝利に結び付いた(e)という。





20〜30代は勝負の鍵を握る“浮動票”として、選挙期間中、注目を浴びていた。過去、20〜30代は民主党支持傾向が強かった。だが、投票直後、地上波3社が発表した出口調査結果で、20代では尹錫悅45.5%対李在明47.8%、30代では尹48.1%対李46.3%でほぼ拮抗していた。









▲写真 労働条件改善を要求する集会を開く韓国労働組合連盟のメンバー(2022年1月15日、韓国・ソウル) 出典:Photo by Chung Sung-Jun/Getty Images





2年前の総選挙で、与党「共に民主党」は野党「未来統合党」(現、「国民の力」)に対し、20代では56.4%対32.0%、30代では61.1%対29.7%と約2倍の差をつけ圧倒していた。だが、今回は状況が一変している。





他方、大票田であるソウル市は1987年以降実施された過去7回の大統領選で、2007年に李明博(イ・ミョンバク)が勝利したのを除けば、保守政党が7戦6敗の“鬼門”地域だった。しかし、今回、ソウル市で尹錫悦は50.6%を得票し、李在明(45.7%)を4.8ポイントもリードした。





特に、ソウル市の25区のうち、伝統的に保守支持傾向が強かった江南地域を含め、14区を尹氏が制している。ちなみに、2017年大統領選では、文在寅(ムン・ジェイン)が同市のすべての区で勝利した。ソウル市不動産の高騰が原因のせいか、ソウル市の支持傾向が大きく変化している。





この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください