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日本外交の診断 兼原元国家安全保障局次長と語る 最終回 亡国につながる道

Japan In-depth / 2022年3月30日 11時0分

▲写真 海上自衛隊の艦船(2006年10月22日、相模湾冲) 出典:Photo by Koichi Kamoshida/Getty Images





兼原 第二次安倍政権で、中国、北朝鮮、韓国、台湾が中距離ミサイルを持っているのに、自衛隊だけが〝果物ナイフ〟のような短距離ミサイルでは戦えないと申し上げて、射程1000キロの空対地ミサイル導入を決めていただきました。





 しかし、安心はできません。中国等が持つ中距離ミサイルは、2000〜5000キロメートルまで届きます。また、日本は専守防衛ということで、この射程1000キロのミサイルを日本領土に着上陸した敵にしか使えないことになっている。敵が東京や大阪にミサイルを撃ち込んでいるのに、自分はじっと敵が日本列島に上陸するのを待っているというのはおかしい。子供でもわかる理屈です。





古森 2021年12月、安倍元首相は「台湾有事は日本有事だ」と発言しました。中国側の猛反対はありましたが、日本人から批判の声はあまり上がっていない。ということは、日本人の国防意識が変わってきているということです。





兼原 台湾は日本に近すぎる。尖閣もある。在日米軍基地もある。そして中国軍は大きすぎる。最近では、経済安全保障ということで、経産省や財務省も変わり始めています。しかし、国民から選ばれた政治家が指示を出さなければ役人は動きません。本当の政治主導の国にしなくてはなりません。





古森 岸田首相は就任当初、「中国にはしっかり言うべきことは言っていく」と述べていました。しかし、「言うべきことを言う」なんていうのは政策ではありません。中国に忖度するのは、岸田氏が属する宏池会の悪しき伝統でもある気がします。岸田首相には、国民、官僚のなかで高まる中国脅威の意識を踏まえて、日本の舵取りをしていただきたい。でなければ日本に残された道は中国への隷属、あるいはアメリカからの離反、いずれも亡国へとつながります。(終わり)





(全7回。その1、その2、その3、その4、その5、その6)





**この対談は月刊雑誌WILLの2022年4月号からの転載です。





トップ写真:自衛隊記念日観閲式で巡閲を行う岸田首相(2021年11月27日、陸自朝霞駐屯地) 出典:首相官邸ホームページ




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