1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

男子トイレに女性が入っても非難されない?

Japan In-depth / 2022年4月11日 14時18分

東京宝塚劇場のその3階の男子トイレで女性を最初に背後から目にしたとき、一瞬、身体の不自由な男性の介護で付き添っているのかと思った。だが彼女は1人で立っていた。しかも立って使う小便器ではなく、ドアのある便座の順番を待っていた。


つまり女性としての使用だといえよう。そしてその女性は私を含めて10数人の男性が待ったり、出入りするなかで悠然とそのドア内の用具を使い、またなんの表情の変化もみせず、男子トイレから出ていった。


 私の目撃報告は単にこれだけのことだった。だが男子トイレの女性の堂々たる使用には驚いた。公共用のトイレは男女の区分が明確である。男性が女性トイレに勝手に入れば、法律での罰を受ける。だが女性が男性トイレを使っても、なんの違反にもならないのか。


 だがここで東京宝塚劇場のトイレの特殊事情を説明する必要があるだろう。


周知のように宝塚ファンは圧倒的に女性が多い。近年、男性も増えてはいるが、この日も含めて観客のゆうに9割以上は女性だった。定員2000人ほどでほぼ満員だったから、公演前も休憩時間も女子トイレにはびっくりするほどの長い行列ができた。だからその間、待ちきれず、非常の緊急事態として男性トイレを使ってしまう女性が出ても、それほどふしぎではない。私が目撃した女性もそんなケースだったのかもしれない。


 しかし私がこれまで何年もの間、東京宝塚劇場に足を運んだ体験では男子トイレを堂々と使う女性の姿は一度もみたことがなかった。


 さてここからクイズのような疑問がわく。いまの日本の現状では男性が女性専用トイレに入って、便器を使おうとすれば、それだけで法律違反とされるだろう。法律に違反しないとしても、公序良俗に反する、常識に反する、と非難されるだろう。だが女性の男性トイレ使用は許されるのか。だとすれば、不公正ではないか。


 そこでさらに連想されるのは「性自認女性」の女子トイレ使用である。2021年5月、大阪府警は大阪市内の商業施設の女子トイレに入った戸籍上は男性だが、意識のうえでは女性だという人物を摘発した。建造物侵入罪で書類送検したのだ。この男性はふだんは男として働き、休日には女性の服装をして外出していたという。


 だがその男性は女子トイレを使い、他の利用者から「女性の服を着た男性が女子トイレを使っていて怖い」という通報が警察にあったと報じられた。だから男子は女子トイレに入ると、たとえ女の服装をしていても懲罰を受けるのだといえよう。


 私が目撃した女性はもしかすると、女装の男性だったのかもしれない。となると、男子トイレの使用は合法ということになる。だがその女性はどうみても男性だとは思えなかった。


 さてこんな事例を読者のみなさんはどう判断されるか。私の率直な疑問である。


トップ写真)公共トイレの利用において難しい決断を迫られるトランスジェンダーコミュニティ向けに造り替えられたジェンダーフリートイレ。元々は男女別のトイレだった。(2015年11月24日 ドイツ・ベルリン)


出典:Photo by Sean Gallup/Getty Images


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください