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白熱する比大統領選

Japan In-depth / 2022年4月13日 23時0分

★政権交代狙う野党候補が善戦


こうしたボンボン候補の圧倒的な知名度や支持率に対して野党統一候補として政権交代を狙うレニー・ロブレド副大統領には若い大学生の支持が広がっている。首都圏の主要大学の学生を対象にした世論調査ではどの大学でもレニー・ロブレド副大統領の支持が80%を超えた、との報道もある。


 



写真)大統領選のキャンペーンとして集会に参加したレニー・ロブレド副大統領(2022/03/20)


出典)Photo by Ezra Acayan/Getty Images


大統領選、副大統領選と同時期に上下院議員選挙、地方議会選挙、地方自治体首長選挙なども実施され、選挙好きでなおかつお祭り好きのフィリピン人はいやがうえにも盛り上がっているのだ。


★世界的ボクサーや元俳優も立候補


 大統領選にはこの他に6階級制覇を成し遂げた世界的プロボクサーで国民的英雄でもあるマニー・パッキャオ上院議員、俳優として人気の高かったマニラ市長のイスコ・モレノ氏なども知名度を背景に精力的な選挙キャンペーンを展開している。


集会や演説会には世界的ボクサーや「イケメン」の元俳優を一目見ようと、人だかりができるがそれが支持、投票につながるかが鍵となる。


★ボンボン候補に脛の傷


 ボンボン候補は父親であるマルコス元大統領や妻であり母である元下院議員のイメルダ・マルコス夫人に関わる数々の醜聞、批判、訴追などに関しては、極力黙秘を続けている。


 選挙管理委員会が主催する大統領候補者の討論会にもボンボン候補は欠席を続けている。討論会は汚職問題や人権問題、対中国外交などがテーマだが他の候補者から過去の問題などを追及されることを回避するための欠席、と言われている。


 ボンボン陣営は、討論会より地方遊説が優先である、と討論会欠席を正当化している。それ以外にも数々の過去の問題で野党系議員や人権団体が選管にボンボン候補の立候補取り消しを求めているが、選管はいずれも却下しているという。


エイミーさんも「いずれのケースも過去の亡霊に過ぎない」とボンボン候補への「いちゃもん」に反論している。


 マルコス家とドゥテルテ大統領は長年マルコス一族が念願していた故郷北イロコス州に眠る故マルコス大統領の遺体をマニラの英雄墓地に埋葬することだった。ドゥテルテ大統領が大統領就任直後の2016年8月に決断してマルコス元大統領の英雄墓地への埋葬が実現して以来、近い関係となったといわれている。


 それが今回の大統領選でマルコス元大統領の長男とドゥテルテ大統領の娘による正副大統領立候補に結び付いているとみる人は多い。


 果たしてどうなるか、白熱する選挙戦の行方に内外の注目は高い。


トップ写真)集会を行うフェルディナンド・マルコス・ジュニア(愛称ボンボン)前上院議員(2022/02/19)


出典)Photo by Ezra Acayan/Getty Images


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