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EUで中ロ連携への警戒感高まる

Japan In-depth / 2022年4月16日 16時36分

 それでも、中国は、ウクライナにおける明らかにロシア軍の仕業とみられる多数の民間人虐殺の報道にもかかわらず、ロシアへの外交面での“黙示的”な支援を取り下げるそぶりはみせていない。最近でも、ロシアを国連人権理事会の理事国の座から追放する国連総会の決議にも反対した。


◇中国は政治的自由化を警戒


 習氏は「西側の支配」に対抗する専制主義的な陣営の指導者の仲間としてロシアのプーチン大統領を見なしており、ウクライナの軍事侵攻でプーチン氏を非難することは避けてきた。そして中国はウクライナ危機を終わらせるための後押しをするよう西側から圧力をかけられているにもかかわらず、平和を呼びかける以外、ほとんど何もしてこなかった。


 米国のバイデン政権は、ウクライナでの戦争を民主主義と専制主義の戦いと位置付けているが、それに対してニューヨーク・タイムズによると、中国は米国が主導する勢力の連合がウクライナや世界各地での紛争の源泉であると反論している。そして、中国は同国とロシアが、西側政府によって支援されているとされる(2004年のウクライナのオレンジ革命などの)「カラー革命と呼ばれる反乱」によって悩まされてきたとしている。


 中国共産党はウクライナ危機が始まった後、同危機には直接言及しないものの、旧ソ連崩壊についてのドキュメンタリービデオを使って、党員の思想引き締めのためのキャンペーンを展開していると、ニューヨーク・タイムズは報じている。


 このドキュメンタリービデオは「歴史的ニヒリズムとソ連の崩壊」との題で、習主席に対する党員の忠誠心を維持するのが目的とされる。


 ドキュメンタリーはソ連の崩壊の原因として、中国政府が「歴史的ニヒリズム」」と呼ぶ政治的自由化を挙げている。特に、ソ連共産党のフルシチョフ書記長とペレストロイカ(改革)などを推進したゴルバチョフ書記長に対して批判的で、彼らは過ちを犯したとして「(西側に)騙されやすい人」と決めつけている。


 そのうえで、ゴルバチョフ指導部はソ連崩壊に至る過程でイデオロギー的バックボーンを欠き、西側による政治的な転覆の策動にさらされたとしている。


 そしてドキュメンタリーはウクライナ危機における本当の悪者はロシアの安全保障環境を損なおうとする、米国と米主導の北大西洋条約機構(NATO)だと決めつけている。



写真)ポーランドの第18機械化師団と米第82空挺師団による合同軍事演習 2022年4月8日 ポーランド、ノバ・デンバ


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