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習近平政権の抱える問題点

Japan In-depth / 2022年4月17日 18時13分

第5に、今年2月の北京冬季五輪直前、習近平主席は、ウクライナへの侵攻前のプーチン大統領と“無制限”の友好関係を約束した。しかし、もしロシアが負けた場合、共産党独裁政権にとって好ましくなく、中国自身を不安定にする可能性がある。









写真)北京冬季オリンピックの開会式に参加するプーチン大統領 2022年2月4日 中国・北京





出典)Photo by Carl Court/Getty Images





このように、グプタは鋭い分析を行っている。





次に、(2)習近平政権の「ゼロコロナ政策」と政権内部の葛藤である。





 中国語のポータルサイト『中国瞭望』は「党メディアと反対意見の国務院が突然、通知を出す」(2022年4月12日付)(b)という鍾原の論考を掲載した。興味深いので、抄訳しよう。





上海市・吉林省でコロナが蔓延し、ロックダウンが極端に厳しくなると、中国各地でも同様の措置が相次いだ。当局はトラックを強制的にストップさせ、物流システムが遮断された。





李克強首相は、「防疫検査所の設置違反」及び「運送路の無断遮断」を禁じるという国務院の通知文を送った。これは、習政権の「ゼロコロナ政策」とは、事実上、相反する。





4月8日、李首相は経済専門家や企業家との座談会を主宰し、「交通幹線、港湾などの基幹ネットワークの秩序ある運行を保障」し、「国内外の物流の円滑化を促進し、産業のサプライチェーンの安定を維持」するよう求めた。





上海市や吉林省がロックダウンされてから、生活用品や物資の不足が注目され始めた。コロナの再流行を懸念した各地の役人は、人の移動に何重もの障壁を設けている。そのため、物資を運ぶトラックが長蛇の列を作るようになった。





多くの企業は、必ずしもコロナが原因で規制を受けたわけではない。だが、原材料の搬入や製品の出荷が間に合わず、事実上、作業・生産の停止を余儀なくされた。





同11日、李首相は、江西省を視察し、同省、遼寧省、浙江省、広東省、四川省の地方政府責任者との懇談会を再び主宰した。





そこでも、李首相は「交通基幹ネットワーク、港湾などの秩序ある運行を確保し、国内外の物流を円滑に行い、産業の供給チェーンを安定的に維持する」よう求めた。また、「農業資材の供給と価格の安定、末端流通の安定に尽くし、決して農繁期を遅らせてはならない」と述べた。





この李首相の発言は、各地の極端な防疫措置を中止させたも同然だろう。ただ、役人としては、国務院通達に従えば「ゼロコロナ政策」違反となり、もしコロナの流行が拡大すれば関係者に影響が出る。また、極端な防疫措置や物流の遮断を続ければ、経済が回らず、その責任を問われる。今後、役人達はこのジレンマに悩まされるだろう。





(注)





(a)『ヒンドスタン・タイムズ』「終わらないウクライナ戦争は習主席にトラブルをもたらす」(2022年4月7日付)





(https://www.hindustantimes.com/world-news/a-never-ending-ukraine-war-spells-trouble-for-president-xi-101649305308117.html)





(b)『中国瞭望』「党メディアと反対意見の国務院が突然、通知を出す」(2022年4月12日付)





(https://news.creaders.net/china/2022/04/12/2472335.html)





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