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中国「共同富裕」の幻想と挫折

Japan In-depth / 2022年4月27日 1時20分

しかし、世界的な原油価格の高騰やウクライナ情勢の不確実性に加え、中国ではコロナに対する厳しいロックダウンが行われている(g)。そこで、中国の投資家が海外へ流出(h)し始めた。同時に、外資も中国から“キャピタル・フライト”を起こしている(i)。だから、習近平政権は「共同富裕」を言い出さなくなったのではないだろうか。





今年(2022年)3月、北京では全国人民代表大会が開催された。その際、習近平主席が演説を行ったが、「共同富裕」については、たった1回、言及した(j)だけだった。





けれども、習主席がいきなり「共同富裕」を引っ込めては、格好がつかない。それどころか、習総書記の第3期目就任に反対している「反習近平派」からの攻撃も受けやすくなるだろう。





そこで、「習派」は、「共同富裕」について静かに“フェイドアウト”して行く道を選んだ公算が大きい。結局、第3期目を目指す習近平主席は、自らの“権威付け”のため「共同富裕」のキャンペーンを張ったに過ぎなかったのではないか。





ところで、中国共産党は、たまにこのような事を行う。一例を挙げてみよう。





2015年5月、習近平政権は産業政策「中国製造2025」を発表(k)している。それは、建国100年目に「世界の製造強国の先頭グループ入り」を目指す“野心的な”長期戦略だった。





だが、2010年代末には、なぜか「中国製造2025」という目標がほとんど語られなくなった。たぶん、「共同富裕」もそれと似たような結果に終わるのではないだろうか。





 





<注>





(a) 『新華網』「第一観察:どのように共同富裕を促進するか、総書記はこのように行う」 (2021年8月21日付)





(http://www.xinhuanet.com/politics/leaders/2021-08/21/c_1127782199.htm )





(b)『中国共産党新聞』「鄧小平:一部の人を先に豊かにする」(日付なし)





(http://cpc.people.com.cn/GB/34136/2569304.html)





(c)『VOA』「習近平の『共同富裕』スローガンはなぜトーンが下がったのか?第20回共産党大会までに習近平と李克強の争いがあるのか?」(2022年3月15日付)





(https://www.voachinese.com/a/what-does-a-low-keyed-slogan-of-common-prosperity-imply-to-xi-s-signature-policy-and-monopoly-of-power-20220314/6485725.html)





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