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福島県の医師不足は改善されたのか その1

Japan In-depth / 2022年4月27日 11時2分


【図2】出典:『医師・歯科医師・薬剤師統計』


 


 福島県内も状況は一律ではない。厚労省は指定都市・特別区・中核市の医師数についても発表している。この中には福島県から福島市、郡山市、いわき市が含まれている。2020年の医師数は多い順に福島市(430.1人)、郡山市(268.2人)、いわき市(142.1人)となる。福島市といわき市では実に3倍の差だ。


 福島県は医師偏在が深刻だ。厚労省が2018年に指定都市・特別区・中核市としてデータを開示した75自治体中、福島市の医師数は11番目に多い。一方、いわき市は豊田市(139.0人)に次いでワースト二位だ。


 問題はいわき市の医師数が、この二年間で18.1%も減少していることだ。医師総数が増える中、医師が減っている指定都市・特別区・中核市は、いわき市以外には、盛岡市(-34.3%)、豊田市(-20.9%)、川口市(-1.1%)、青森市(-0.4%)、那覇市(-0.2%)、八尾市(-0.04%)しかない。盛岡市、豊田市と並び、いわき市の状況が如何に深刻かご理解頂けるだろう。


 このような地域の問題は、規模が大きいことだ。人口は盛岡市約28.7万人、豊田市41.8万人、いわき市32.7万人だ。必要な医師数も多い。過疎地の医師不足を念頭に運営されている地域枠制度などの弥縫策では問題は解決しない。高齢化が進むこのような地域の医療は、このままでは崩壊する。地元での医師育成数を増やすとともに、地域外から医師を呼び込む仕組みを作らねばならない。この点については、福島県浜通りで興味深い動きが進行中だ。次回、ご紹介したい。


(つづく) 


トップ写真)東日本大震災で避難した子どもを診察する医師(2011年3月21日 岩手・陸前高田市)


出典)Photo by Paula Bronstein /Getty Images


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