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米州サミットに暗雲 メキシコ不参加表明に同調相次ぐ 

Japan In-depth / 2022年6月1日 11時0分

オバマ政権の副大統領時代を含め中南米にたびたび足を運び、自ら「中南米通」と称するバイデン大統領は「今回の米州サミットを対中南米戦略の優先課題と位置づけ、中国に対抗して本来の米国の影響力を取り戻す機会にしたいと考えている」(米国の中南米専門シンクタンク専門家)といわれる。


 


■「すべての国参加せねば欠席」-メキシコ大統領


だが、メキシコのロペスオブラドール大統領が欠席の意向を表明するや、これに同調する国が続出した。これらの国は主に左派ないし中道左派の政権だ。


ロペスオブラドール大統領の不参加の理由は、メキシコが友好関係を維持するキューバ、ニカラグア、ベネズエラの反米3カ国をバイデン政権がサミット招待国から除外する方針を示したため。同大統領は「(米州の)すべての国が招待されない限り、出席しない」と強硬態度を崩さない。


これに続きボリビア左派政権を率いるアルセ大統領も「兄弟国が参加しないなら、出席するつもりはない」とメキシコに追随。今年1月発足したホンジュラス左派政権のカストロ大統領も同様の理由から不参加の意向を示す。


さらにアルゼンチンのフェルナンデス大統領は「西半球のすべての声を聴くためには特定の国の参加を排除しないようにすべきだ」と主張、事実上、バイデン政権の対応を批判。カリブ海10数カ国のスポークスマン的役割を果たすアンティグア・バーブーダの駐米大使は「キューバが排除されれば、カリブの大半の国は参加しない」と警告した。


また、グアテマラのジャマテイ大統領は左派ではなく右派とされるが、同国の検事総長に対し米国が汚職疑惑を理由に制裁措置を科したことに抗議し、サミットに参加しないと表明している。


米CNNなどの報道によれば、バイデン政権はこうした状況を受け、在米キューバ人の母国への渡航や送金規制の緩和、べネズエラ石油禁輸の見直しなど、メキシコを中心とする各国の反発を抑える方策を検討しているという。


しかし、バイデン政権としては今秋に中間選挙を控え、フロリダ州有権者の動向を考慮すると、安易な妥協はできないと予想される。多くの中南米諸国の首脳が欠席し、サミットが首尾よく開催されない事態となれば、バイデン大統領のメンツが丸つぶれになるだけでなく米国の中南米戦略が大きな痛手をこうむることになりそうだ。


(了)


トップ写真)左からメキシコのロペスオブラドール大統領、バイデン米大統領、カナダのトルドー首相(2021年11月18日 ワシントンDC)。


出典)Photo by Alex Wong/Getty Images


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