若者が気軽に性の悩みを相談できる場所「ユースクリニック」とは
Japan In-depth / 2022年6月4日 23時0分
彼女は「大学の保健センターが、ユースクリニックのような存在になればいいのに」と、若者が気軽に相談できるような場所が必要だと語った。
看護学生の川村さんはHPVワクチン接種に伴う体調不良がきっかけでこのクリニックを知ったのだという。HPVワクチン2回目接種の際に体調不良になり、3回目のワクチン接種を他のクリニックで断られてしまった。そこで、ワクチン接種に力をいれている本クリニックに来院し、3回目の接種を行ったと話していた。
座談会では「自分の症状が人と比べてどう違うのかはなかなか知る機会がなく不安だった。「普通」を知ることは持病に気づくきっかけにもなった。」と述べた。
▲写真 座談会の様子。(2022.6.4)©︎Japan In-depth編集部
「ユースクリニックを、困ったことがあってくるのではなく、困ってなくても気軽に通える場所にしたい」と門間医師は語る。
「体の不調で来る人もいるが、よくよく話を聞くと心の不調が現れた結果、体を壊していた人もいる。自分から気づくのは難しいが、こうして話す機会を設けることで気づき、エンパワーされ、話しやすくなる。性に関わらず自尊心が傷つけられてモヤモヤした時に考えられる場所を提供したい」
ユネスコが推進している包括的性教育には、性に限らず、「自分がどうしたいか」という主体的な価値観を元に、相手を傷つけずに「嫌だ」と伝える練習も含まれるという。
門間医師は「性に関するトラブルを特別扱いせず、メタボや高血圧と同じような『健康』に関わることとして考えていければ」と語り、国全体の「性に関する意識」改革の必要性を訴えた。
ユースクリニックの存在はまだ浸透しきっておらず、若者といっても性の問題に関心のある人の来院が多いという。本当に困っている人に気軽に相談できる場所を提供する必要があり、そのためにもユースクリニックの認知を広めることが急務だ。SNSなどを通じて一人でも多くの若者の関心を集めるべきだ。
今回、我々編集部は「性をもっとオープンに」というプロジェクトを立ち上げ、性にまつわる問題やHPVのワクチンなどについて継続的に取り上げていくつもりだ。
(了)
トップ写真:オープンユースクリニックでの集合写真。後列右から2人目が門間美佳医師。(2022年6月4日)©︎Japan In-depth編集部
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