豪の新リーダーを「迎撃」する中国
Japan In-depth / 2022年6月8日 18時0分
されば、Interefereは「妨害」、interceptは「迎撃」であるはずだ。
この点についてしっかり訳しているメディアもある。さすがはWall Street Journal、その日本版【社説】では「中国がオーストラリア新首相「迎撃」、中国軍の戦闘機、南シナ海付近の豪軍哨戒機に対し危険行動」と極めて正確に訳している。保守系の英字紙だから、当然なのだろうが・・・。
▲写真 豪空軍哨戒機P-8 出典:豪空軍ホームページ
これに対し、ある外国通信社記事の日本語版は当初、「豪哨戒機、南シナ海で中国軍機から危険な迎撃受ける」としながら、その後ヘッドラインを「危険な妨害受ける」に変えたらしく、ご丁寧に (見出しと本文の「迎撃」を「妨害」に修正しました)とまで注釈を付けている。何か後ろめたいことでもあるのかねぇ、これ以上は言わないが・・・。
豪政府によれば、「中国戦闘機は哨戒機と並んで飛行した後、前方に移動し、追尾ミサイルを攪乱するチャフやフレアを放出し、哨戒機とその乗員に安全上の脅威となる危険な行動を取った」という。
確かにこれは「攻撃」に近い行為だ。これって「既視感」がある。2001年4月1日、南シナ海で中国軍機が米偵察機に衝突した事件だ。
結論から言えば、中国は再び潜在的敵対国の政権交代後、新リーダーをテストしたのだろう。件のWall Street Journal社説も「アンソニー・アルバニージー氏がオーストラリア首相に就任して1カ月足らずだが、中国はすでに同氏が前任者のように脅しに耐えられるかどうかを試しているようだ」と書いているので、間違いないと思う。
▲写真 アンソニー・アルバニージー豪新首相(2022年6月2日 豪・キャンベラ) 出典:Photo by Tracey Nearmy/Getty Images
2001年4月といえば、GWブッシュ米新大統領就任から3カ月弱、中国は新大統領の意図を試したのだろう。その後も、同様の事件をオバマ大統領就任後、トランプ大統領就任後にも起している。こんなことをやれば逆効果になることをなぜ人民解放軍の賢い軍人たちは理解できないのだろうか?
〇アジア
ウクライナ紛争の陰でといえば、韓国軍合同参謀本部は、米韓両軍が6日、北朝鮮が前日短距離弾道ミサイル8発を発射したのに対抗し、日本海に地対地ミサイル「ATACMS」8発を発射したと発表したそうだ。韓国も漸く正しい対応ができるようになったのかな。引き続きソウルの出方を見極めていくべきだ。
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