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ミャンマー軍政、民主派死刑執行宣言

Japan In-depth / 2022年6月20日 12時31分

ミャンマーの司法、裁判官、検察官はいずれも軍政の指導下にあることから公平で公正な裁判が実質的に不可能な状況となっている。トー氏とジミー・コー氏も共に上級裁判所に上訴したが却下され、反テロリズムの容疑で死刑判決が確定している。





4人のうち残る2人はヤンゴン近郊で民主活動の情報を治安当局に通報していた「女性スパイ」を殺害して逮捕され、死刑判決を受けている。元国会議員のトー氏とジミー・コー氏は反軍政運動の象徴で知名度も高いが、この2人、フラ・ミョ・アウン氏とアウン・トゥラ・ゾー氏が共に死刑執行の予定者になぜ加えられたのかは不明という。





軍政がクーデター後に設置した国家統治評議会(SAC)の報道官は6月3日に報道陣に4人の死刑執行方針を明らかにし、ゾー・ミン・トゥン国軍報道官も「2人を含む4人の死刑判決囚は刑務所の手続きに従って絞首刑に処せられる」と述べて死刑執行方針が軍政の方針でもあることを重ねて強調した。





ゾー報道官は死刑執行の日取りなどは明らかにしていない。





■ 国際世論から批判と反対





その後国連や欧米、国際的人権団体などからの死刑執行中止を求め軍政を批判する声が一気に広まった。





ミャンマーも加盟する東南アジア諸国連合(ASEANA)の今年の議長国であるカンボジアのフンセン首相もミン・アウン・フライン国軍司令官に書簡を送り「死刑執行は国際社会の大きな批判を浴び、国内に禍根を残すことになる」と警告した。









▲写真 カンボジアのフン・セン首相 出典:Photo by Ng Han Guan - Pool/Getty Images





そして16日に軍政のSACが首都ネピドーで開いた記者会見で「今でも死刑制度を維持している国は数多くある。法の支配強化のためにも死刑は執行されなければならない」と述べ、再度「4人の死刑執行方針」を改めて表明したのだった。





東京でも6月17日に外務省前に在日ミャンマー人や支援者が集まり死刑執行中止を訴えた。





こうした内外の反対の動きに対して軍政が一切の要求を拒否して「死刑執行方針を変えない」との強い姿勢を16日の記者会見は示したものとみられている。





■ 刑務所側は「執行の命令は一切ない」





こうした軍政による度重なる「死刑執行表明」だが、4人が収監されているというヤンゴンのインセイン刑務所を管轄する刑務所局の報道官は地元メディアに対して「死刑執行に関するいかなる提案、通知、命令も受け取っていない」と述べたうえで16日朝にも4人の死刑が執行されるという刑務所内外での噂に関して「噂は真実ではない」と否定した。同報道官は4人がどの刑務所に収監されているかはわからないと述べた。





国際社会は軍政が反対の大合唱の中、本当に4人に対する死刑を執行するのか固唾を飲んで見守っている。





トップ写真:靴が置かれたミャンマーのミン・アウン・フライン国軍司令官の写真。「恥を知れ、独裁者」と書かれている。(2021年2月21日 東京) 出典:Photo by Yuichi Yamazaki/Getty Images




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