中国共産党、“異様”な中央政治局会議開催
Japan In-depth / 2022年6月21日 12時0分
習主席の政治局委員への呼びかけは、第20回党大会を前に、党内闘争の激化を物語っている。
一部のアナリストの分析では、「習近平派」が、今まで党内の権力闘争過程で優位に立っていたのは、主に中央紀律検査委員会と国家監察委員会の合同事務局、すなわち、現代の“超国家体制”に依存していたからだという。
また、習主席は再び“汚職撲滅”を利用して、秋の党大会前、共産党上層部に打撃を与えようとしているのではないかと指摘されている。
カナダの学者、呉国光は、近頃、海外で国内の〔活発な〕「反習」活動が噂されているが、習主席にとって良くない兆候であり、主席は黙って死を待つことはしないだろうと予測している。このままでは、主席の政治生命が危うくなる公算があるという。
以上が記事の概要である。
さて、6月8日、習近平主席が突如、四川省眉山市に現れた(c)。丁薛祥・党中央弁公庁主任、劉鶴・副首相、何立峰・国家発展改革委員会主任、王暁暉・四川省書記(同省トップ)、黄強・四川省長等が随伴している。
実は、6月1日、四川省雅安蘆山でマグニチュード6.1の地震が発生した。同地域は習主席の視察した眉山から約100キロも離れている。結局、主席は被災地を視察しなかった(d)。
一方、6月9日、習主席は成都に駐在する大佐以上の軍幹部らと接見した。この主席の軍視察は、軍権誇示のためだったのかもしれない。そこで、習主席の四川省訪問目的が、被災地の視察ではなく、西部戦区訪問だったことが明白となった。
ひょっとして、習主席は西部戦区の「旧第14集団軍」(薄一波・元副総理が創設し、約10年前、薄熙来・元重慶市トップが動かしたとされる)を自分の味方につける算段だったのではないだろうか。ただ、習主席の思惑通り、西部戦区が主席側に付いたになったかどうかは不明である。
おそらく、習主席が政治局会議を“前倒し”開催したのは、このままでは、自らの政治生命が絶たれると考えたからかもしれない。主席の焦りが垣間見られよう。
ところで、6月17日、政治局会議に7人もの政治局委員が欠席したのは、一体、なぜだろうか。目下、彼らは「反習派」に染まった中央規律検査委員会に調べられている可能性を排除できない。
(注)
(a)「中国共産党中央委員会政治局会議が開催される。
『第19期中央第8回金融機関の是正状況についての報告』を審議した。習近平総書記が会議を主宰」(2022年6月18日付第1面)
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