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「反習派」への譲歩は習主席の戦略なのか?

Japan In-depth / 2022年7月3日 0時10分

張暁明は36年間、香港とマカオで働いたが、これといって大した能力がなかった。ただ、一貫して「極左」(日本語は逆で「極右」。以下、同様)政策を推進し、早期に香港を中国へ吸収し、(「一国二制度」をやめて)香港への「一国一制度」導入に大きな役割を果たした。だが、つい最近、張暁明は、政治協商会議副秘書長に任命されている。





現在、中国共産党が本当に「全面的な反省と検討」にあるかどうかはわからない。けれども、私達がわかっているのは、北京の送っている“和解のシグナル”を西側諸国が感知したという点である。





近頃、中国の欧州担当特別代表である呉紅波がベルギー、キプロス、チェコ、フランス、ハンガリー、ドイツ、イタリアを訪問した。





呉紅波はどこへ行っても低姿勢で、中国の「犯した過ち」を認めた。「ゼロコロナ政策」から、「戦狼外交」、経済政策のミスなど、「中国は自らがやり過ぎたことを理解している」という。





また、米中両国の間にも若干、緊張緩和の兆しが現れている。 6月13日、楊潔篪とサリバンはルクセンブルクで4時間半の会談を行った。双方はそれぞれ「率直で実質的かつ生産的」、「率直で詳細かつ建設的」だったとして、会合を総括している。





6月10日にシンガポールで開かれた米中国防相のオースティン国防長官と魏鳳和国防部長の会談で、双方は台湾海峡での脅威としてお互いを非難した。だが、これは『ウォール・ストリート・ジャーナル』が奇妙な解釈をしている。双方は厳しい言葉を投げかけたが、「実際には、それで緊迫状況を和らげている」という。





最近、「紅2代」である潘岳が国家民族事務委員会主任に任命された。潘が、米国の「民族のるつぼ」概念で、あるいは、陳全国と違った手法で新疆問題を対処するのではないか、と言う人がいる。ただ、これだけで「紅2代」が重用されたとは言い難いだろう。





これらの緊張緩和または緊張緩和の試みの兆候は何を示しているのか。呉強の考えでは、習主席が譲歩を始めたという。中国経済が逼迫し、もし妥協しなければ、中国経済が崩壊する恐れがあるからだろう。





そうなれば、社会が混乱に陥るかもしれない。不穏な党内、社会不安、経済の弱体化、この3者が結び付くと、習主席の3選が破綻する。したがって、選択の余地はない。





習主席の本音と認識、野心、政策の流れと政権の軌跡に照らしてみれば、今この瞬間だけは譲歩するという術策を弄している公算が大きい。一度峠を越えれば、主席が全体主義の方向に大きく前進するのかもしれないので心配だ、と呉強は唱える。





 





<注>





(a)https://www.rfa.org/cantonese/commentaries/wp/com-06292022081056.html





トップ写真:香港返還25周年に先立ち、習近平国家主席の映像を見る香港の子供ら(2022年6月23日、中国・香港) 出典:Photo by Anthony Kwan/Getty Images




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