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猿払村の奇跡と人気ラーメン店 「高岡発ニッポン再興」その14

Japan In-depth / 2022年7月5日 7時0分

太田組合長は必死に、関係者を説得しました。また、漁業組合だけではお金を賄えません。当時の村長、笠井勝雄さんも「猿払村の再生はホタテでやるしかない」と考え、大きな決断を下します。税収の半分近くを稚貝の放流事業に投じたのです。また、村の住民からもお金を出してもらいました。


組合長と村長の決断と実行が村全体を動かしたのです。


その成果は出ています。全国の自治体の所得ランキングで2017年、猿払村は3位。東京都の港区、千代田区に次いでいるのです。また、東京都渋谷区や兵庫県芦屋市を押さえての3位です。今も上位を維持しています。







▲画像 北海道・猿払村のホタテ漁の様子。YouTubeより(筆者提供)


ところで、浅野さんが経営する高岡市の野村のラーメン店「翔龍」ですが、私は初めて行ったとき、驚きました。


グレー色を基調にしたおしゃれな巨大な店舗。夜の11時ごろなのに、多くの人でにぎわっていました。若いカップルがデートでラーメンをすすっているのです。都会的なラーメン店。しかも、名物のブラックラーメンの味も抜群でした。


浅野さんによれば、当初は大きな店舗でつくってリスクが高いとして懸念する声も多かったといいます。それでも、誰もやっていないことをやりたいと、浅野さんは決断しました。どこか猿払村の復活と似通っているような気がします。このラーメンを食べに、県外からも多くの人が来ているといいます。


高岡市の閉塞感を打ち破るには、やはり、“旅の人”が、必要なのです。従来にない発想に果敢に取り組む人こそが、重要なのです。


(つづく)


トップ写真:ラーメン店「翔龍」の人気のブラックラーメン(筆者提供)


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