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干ばつ・コロナ拡散・水害、北朝鮮の食料生産に「赤信号」

Japan In-depth / 2022年7月6日 11時0分

その深刻さについて「稲が泥水に浸っている状態が続くと、水の汚れで稲の気孔が塞がれてしまう。 これが被害を大きくする。 通常、梅雨の雨は稲の汚れを洗い流してくれるのだが今年は逆だ。大雨と泥水が流入して深刻な影響を与えている」と指摘した(自由アジア放送)。





脱北者出身の農業専門家チョ・チョンヒ氏も次のように語った。





 「通常北朝鮮では7月上旬から8月15日までが梅雨の時期なのに今年は15日ほど早く梅雨が訪れた。 その結果、全般的な作物栽培に悪い影響を及ぼしている。コロナ大流行で人員動員が難しくなり、遅くなった田植えに早い梅雨が重なり状況は深刻だ」(自由アジア放送)。





■ 今後も予測される北朝鮮の天候不順





米国の民間気象情報会社である「アキュウェザー」のジェイソン・ニコルス先任気象学者は6月28日、北朝鮮の今年6月の降雨量は2018年以来5年ぶりに最高値を記録したと説明し、平壌では平年の約5倍程度の雨が降ったと指摘した。そして今後も朝鮮半島では大雨が続くと予想した。





彼は「7月になり、西太平洋に台風時期が近づいている。 この台風の流れを注意深く観察しなければならない。 おそらく7月は6月より全体的に乾燥すると思われるが、降雨量は平年よりやや多いと思われる。今の所7月上旬に大雨が降りそうではないが、依然として大雨が続く可能性はある。 おそらく7月後半に今回のような大雨がもう一度降るだろう」と語った(自由アジア放送)。





チョン副所長も「今年、北朝鮮の穀倉地帯である黄海北道と南道、そして平壌近隣地域で田植えが順調でなかった。そこに大雨と台風が重なると北朝鮮の全般的な食糧事情がさらに悪化するだろう」と懸念した。





干ばつに続き例年より早く訪れた今夏の梅雨、そしてコロナウイルス封鎖対策による労働力不足、北朝鮮の農民たちの苦悩は一層深まっている。「人民愛」を叫ぶ金正恩総書記のコロナウイルス非常対策は次々と裏目に出ているようだ。





トップ写真:北朝鮮の咸興でトウモロコシを収穫する農民ら(2012年9月11日 北朝鮮・咸鏡南省) 出典:Photo by Eric Lafforgue / Art In All Of Us / Corbis via Getty Images




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