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NATO首脳会議、トルコ外交の評価

Japan In-depth / 2022年7月6日 23時0分

それでは今回トルコは完勝したのか。報道では「トルコとフィンランド、スウェーデンの2カ国が合意した覚書では、2カ国がPKKなどへの支援の停止や、一部クルド人の送還に『対処』すること」が約束されたとあるが、当のスウェーデン首相は同国が「テロリスト73人」送還を約束したとするトルコ側主張につき明言を避けている。


 


更に、フィンランド政府も「トルコに対し大きく譲歩した訳ではなく、『トルコのテロとの闘いを支持する』とした今回の合意内容は従来の主張と大きく違わない」と述べている。やっぱりね、なるほど。一方、トルコはウクライナの要請に応じ、黒海でウクライナの穀物を運ぶロシア船を拿捕したとも報じられた。一体どうなっているのだろう。


 


 筆者の見立ては、今回のトルコ外交をめぐる関係国間の駆け引きが報じられるほど単純ではない、ということだ。この種の複合的外交交渉では、短期的に戦術的利益を最大化しても、中長期的な戦略的利益を最大化できるとは限らない。誰が最終的に如何なる利益を得たかは、現代のマスコミではなく後世の歴史家が判断すべきだろう。 


 


〇アジア  


米世論調査機関によれば、最近の各国対中認識調査で「中国は嫌い」とした第一位は日本の87%、オーストラリアは86%、第三位スウェーデンが83%、米国が82%で、第五位が韓国80%、だったそうだ。韓国は2002年に31%だったので、時代は明らかに変わったのだろう。中国人は意外にこうした評判を気にする人たちなのだが・・・。 


 


〇欧州・ロシア 


 ロシア軍が東部ルガンスク州全域を制圧し、ウクライナ戦争は新たな段階に入りつつある。ウクライナ側は「(この結果は)致命的ではない」としているが、軍事専門家はこれが戦争全体の転換点となり、今後の決定的戦闘はウクライナが領土奪還に向け反撃を開始した南部で行われる」と予測する。問題は時間との闘いであることだ。 


 


〇中東 


6月下旬、UAE、エジプト、モロッコ、バーレーン、米国、イスラエルが会合を開くなどバイデン米大統領の中東初訪問の前に中東で外交が活発化している。ヨルダン国王は中東でのNATO型同盟構想をぶち上げ、米大統領はイスラエル、西岸地区、サウジアラビアを7月13日から16日にかけて訪問する。この動きは極めて要注意である。 


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