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安倍元首相殺害で欣喜雀躍する中国人

Japan In-depth / 2022年7月12日 11時36分

例えば「昨日は(1937年、日中戦争が開始された)『7・7盧溝橋事件』、今日は、安倍が天に召される」というような類いである。何万通ものメッセージが殺到し、そのほとんどが安倍元首相を揶揄するものだった。





さすがに、心ある一部のツイッターユーザーは「大翻訳キャンペーン」を展開し、中国のネットユーザーの“減らず口”の一字一句を英語と日本語に翻訳して、世界に公開した。





中国では微博や動画など、この事件に対する論評がほぼ一色であることについて、林智群という弁護士は、中国が非常に“奇妙な国”(d)だと決め付けた。





7月8日午後8時現在、微博のホットサーチのトップ10のうち9つが安倍元首相に関連する話題となっていたが、“祝福”や“歓喜”のコメントが多かった。





これに対し、林智群弁護士は、「安倍元首相は中国人に何の危害も加えていないのに骨の髄まで嫌われた。だが、毛沢東主席は中国で多くの死者と災いをもたらしたが、尊敬の念を持って崇拝されている」と指摘した。





他方、『中国瞭望』(中国語記事のポータルサイト)に「安倍元首相が暗殺されて何が嬉しいのか」(2022年7月8日付) (e) という冷静な論評が登場した。一部を紹介しよう。





安倍晋三氏は、日本の近代史上最長期間(2886日)の首相である。在任期間中、日中関係は尖閣と台湾問題などで摩擦があったが、全般的に良好だった。





安倍元首相は日本国民が選んだ首相であり、国益を代弁するため日本の立場で話をする場合が多く、中国人には耳障りに聞こえることもあっただろう。しかし、すでに総理を退職した日本の高齢者に対し、あなたは彼の何を憎んでいるのか?





国家レベルでも、1978年から日本は中国に対する政府開発援助(ODA)を開始した。2018年まで計3兆6500億円(約2551億人民元)を支援し、40年間、中国の「改革・開放」をほぼサポートしている。日本は1979年から2011年まで32年連続中国の最大援助国だった。





たとえ見知らぬ国の見知らぬ人であっても、人間の基本的な道徳観からすれば、悲劇に対し、ほくそ笑むのはいかがなものだろうか。特に、暗殺などのテロ活動は世界から非難を浴びる。





もし、中国人が困っている時、外国人がこのように拍手喝采したり、ほくそ笑んでいたりしたら、どう思うだろうか。中国への侮辱だ、謝罪しろ、とでも言うのか。





実に、鋭い指摘である。





 





<注>





(a)『新月通信社 』(Shingetsu News Agency)「安倍晋三を殺した犯罪」(2022年7月10日付)





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