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中国上半期の注目すべき経済指標

Japan In-depth / 2022年7月19日 11時0分

成長のエンジンである広東省は、+0.7%に留まった〔図表2〕。GDP3%増以上は経済的に2次的省市の山西省や広西チワン族自治区などである。



〔図表2〕(出所)国家統計局HP


金融ジャーナリストである王剣は、『FRA』のインタビューの中で、例えば、中国で最も経済が発展している広東省では、現在、学生労働者の時給は5、6元(約100〜120円)で、出稼ぎ労働者の時給は雑用で9元(約180円)しかないと喝破した。そして、広東省は20年前の水準に戻ったと評している。



写真)中国・上海の駅出口で待機する防護服を着た職員たち(2022年6月12日 中国・上海)


出典)Photo by Hugo Hu/Getty Images


王剣は、「賃金は経済状況を反映するものであり、広東省の景気は良くないし、長江デルタ(上海市と江蘇省南部・浙江省北部を含む、長江河口の三角洲を中心とした地域)の景気も良くない。民間航空や高速鉄道は赤字、旅行会社や教育機関は閉鎖、優良ネット企業も人員整理中である」と述べた(上半期に最も数字が良かったのは輸出で、13.2%増であった)。


中国の不動産開発投資は、1月から6月まで前年同期比5.4%減〔図表3〕、うち住宅投資は同4.5%減と、厳しい数字となった。王剣は、中国の不動産の経済への貢献度は32%と広く知られているが、ほぼすべての数値が急激に低下し、不動産が経済を圧迫していると述べた。



〔図表3〕(出所)国家統計局HP


一方、鄭教授は中国の不動産危機は、単に各種数値の悪化だけではないと考えている。


河南省郷鎮銀行の預金不払い、あるいは、中小零細地方銀行の資金難は数百億元にも及ぶ。「未完成建物事件」などと相まって、今や不動産問題は中国で最も恐ろしい問題だと指摘した。


また、鄭は、次のように説明する。中国は1980年代以降40数年間、不動産が大変な役割を果たし、中国経済の急成長の主要動力だった。人々は不動産に多額の投資をしているので、現在、構造的リスクがますます高まっている。


他方、6月の16~24歳の都市調査失業率は19.3%と、5月(18.4%)よりも1ポイント近く高く、2018年のデータ発表以来、最も高い数値を記録した。


『中国経済観察報』が発行した2022年2四半期の経済学者アンケート調査によると、安定成長に最も注目すべき問題は何かという問いに対し、61%が「雇用が最も重要だ」と答えた。


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