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空き校舎とオガール流公民連 「高岡発ニッポン再興」その20

Japan In-depth / 2022年7月29日 18時0分

 さらに、住民説明会を実施し、要望を聞き取りました。「避難場所としての機能を維持してほしい」「維持費を捻出するため、地元の利⽤のみだけではなく、⺠間企業と⼀緒に利⽤できたら良い」「高齢者が集まる場にしてほしい」など 様々な意見が出ました。


 策定された基本方針では、地域や市民を含めた民間事業者による利活用を基本としました。もちろん公民館や避難場所といった公共目的に使われるケースもありますが、人口そのものが減少していることもあり、民間を軸に考えました。


 その上で、利活用の際には、2つの基本コンセプトを掲げました。「産業の振興」と「人材の育成」です。地域資源を活かし持続する産業と雇用を創り出し、未来を担う人材を育てる場にしようというのです。


 具体的なイメージも基本方針に盛られています。例えば、「公教育以外の多様な教育の場」。公教育では指導することが難しい、社会に必要とされるスキルの獲得を目的とした教育の場だというのです。「町の特性を生かした農業」という点では、グリーンツーリズムなど新たな農業振興を担う人材育成の場にしようというのです。


 紫波町では、この基本方針を策定した後、それぞれの地区にあった実施方針をもつくります。「実施方針は、民間の市場性を踏まえてつくられており、実施方針ができれば、応募につながる」(資産経営課)といいます。












写真)長岡小学校のグラウンド


筆者提供)


 


 長岡小学校の空き校舎の実施方針では、地⽅創⽣の現場で実践を通して学ぶ場を打ち出しました。その学校のコンセプトは「農と⾷」。応募したのは、オガールを運営する株式会社「オガール」です。大阪市の吉本興業ホールディングスをパートナーとして学びの場をつくることになったのです。地域再生に必要な人材の育成を目指す「吉本・オガール地方創生アカデミー」です。通信制の高校生が実践を通して学べる場にしたのです。来年開校予定です。その後、もう一つの小学校の空き校舎で実施方針の素案がつくられていますが、ほかの空き校舎は、これからです。


また、実施方針策定に向けてお試しも実施しています。「トライアルサウンディング(お試し活用調査)」です。令和4年4月に応募のあったバスケットボールのスクールを1カ月間実施したのです。


さて高岡市です。私はこれからの市役所の役割として、市場に向き合うことが極めて大事だと思っています。その結果、今後6年で、ワクワクするような空き校舎が10も生まれるのです。高岡が変わるチャンスになるかもしれません。


編集部注1)オガールとは


「オガール」は、成長するという意味の紫波方言「おがる」と、フランス語の駅「Gare(ガール)」との造語。


トップ写真:旧長岡小学校校舎(2022年,岩手県紫波町)


出典:出町譲


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