1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

毛主席の「紅衛兵」と習主席の「白衛兵」

Japan In-depth / 2022年7月30日 18時0分

毛主席は最初、農村のならず者、後に紅衛兵を使い、伝統的な社会秩序、倫理観、道徳観を破壊した。一方、習主席は都市で疎外された人々や敗者を「白衛兵」として利用した。ある上海人の友人はこう指摘する。近所にいる「大白」の一人は、周囲から嫌われ、誰からも話しかけられないクズだった。しかし、白い防護服を着て呪文を唱えたら、すぐに魔力が憑依した義和団(白蓮教の一派ともいわれる宗教的秘密結社)のような姿になったそうである。これこそが、習主席の望んでいた効果だろう。主席は、国務院副総理だった父親(習仲勲)が、一銭の価値もない紅衛兵に殴られ、『毛沢東語録』を“御刀”としているのを目撃した。けれども、主席は、父親の失脚に同情するどころか、「白衛兵」を主席の最高の道具とした。


ところで、6月18日、上海復旦大学華山病院の張文宏教授と馬昕教授が中心となって、中国CDC週報に発表した研究論文では、オミクロンに罹患した患者のうち、ハイリスクでないグループの重症化率はゼロだと結論付けている(b)。オミクロンの変種が世界中に拡大したが、これは数ヶ月で重症化率が大幅に低下した傾向と一致する。


張博士らの調査結果によれば、上海のロックダウン中に新型コロナで死亡した人の平均年齢は80代で、これらの高齢者の死因はコロナではなく、基礎疾患で死亡しているという。


他方6月26日、新華社は習主席が第20回党大会関連で、ネットユーザーの意見や提案を研究・吸収することに関する重要な指示を出したと報じた。主席は新しい情勢の下、大衆路線を歩み、ネットなどの各種ルートを通じて国民の意見をよく聞き、世論を尊重し、党と国家がよりよい仕事をできるよう強調したという。


実は、蕭国挙という親共産党のネットユーザーが、人民日報などの党メディアによる「第20回党大会への提案・提言」コーナーを真似て、「第20回党大会への提案」をネットで募集した。


このコメント欄には、国家指導者の終身制に反対するメッセージが圧倒的に多く、2期(10年)務めた指導者は、党規約の規定「7上8下」(67歳までは就任、あるいは留任が可能。68歳以上は引退)の不文律に従って辞任するよう呼びかけている。


ネットユーザーからは、「個人崇拝や終身制には一切反対」というメッセージも残された。ベテランのジャーナリスト、李大同はネット上の世論は「厳しい声が多い」と評している。



(a)(https://news.creaders.net/china/2022/07/24/2507746.html)。


(b)『VOA』「『第20回党大会に向けた提言』への罵声 「ゼロコロナ政策」が習総書記再選の命取りか」(2022年7月4日付)


(https://www.voachinese.com/a/xi-defends-controversial-zero-covid-policy-in-wuhan-amid-increasing-challenges-over-his-ambition-for-power-20220704/6644010.html)。


写真:北京でPCR検査を受ける女性(2022年7月6日)


出典:Photo by Kevin Frayer/Getty Images


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください