ウクライナ穀物輸出 露の思惑
Japan In-depth / 2022年8月3日 18時0分
実施には、レベッカ・グリンスパン事務局長が率いる国連貿易開発会議(UNCTAD)がロシアの国連代表部と調整しながら行うことになっており、実施期間は3年間となっている。ロシアからの穀物や肥料の原材料(アンモニアなど)の輸出は西側諸国の経済制裁の対象とはならないとの確約の下に、国連側が売却先の政府当局者や民間セクターと調整して輸出を促進することになっている。
ロシア側は、そのような輸出に障害がある場合は、国連に通報して除去してもらう事になる。そのような障害には、SWIFT(銀行間の金融取引制度)による決済も含まれる可能性もあり、西側諸国のロシアへの経済制裁を国連を通じて側面から打破しようというロシア側の意図も読み取れる。ロシアの輸出が上手くいくかどうかについては国連側がその責任を負うことになるが、米国も容認しているため、比較的早い時期に輸出の手続きなどに関しての詳細が詰められるものと思われる。
▲写真 ロシアのプーチン大統領(2022年7月31日 ロシア・サンクトペテルブルク) 出典:Photo by Contributor/Getty Images
今回の合意だけで世界の食糧危機が回避される訳ではないが、ウクライナ、ロシア、西側諸国、途上国のいずれにとっても何らかのプラスの材料をもたらしている。ウクライナでの戦争が長期化する中での合意であるため、順調に実施されるかどうかは不透明であるが、国連という第三者が中に入ることで、合意の中立性と正当性が受け入れられていると言える。
トップ写真:ウクライナでは小麦の収穫が進む(2022年7月29日 ウクライナ・ミロニフカ) 出典:Photo by Alexey Furman/Getty Images
-
- 1
- 2
外部リンク
この記事に関連するニュース
ランキング
-
1【斎藤元彦・兵庫県知事の応援団に密着取材】「文書問題なんかマスゴミが捏造しただけ」「斎藤さんは令和の二宮金次郎」… それぞれが支持する理由
NEWSポストセブン / 2024年11月26日 6時59分
-
2高崎駅前のホテルで女性客が3人組に携帯電話奪われた強盗事件 2人目の少年(17)を逮捕
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月26日 6時57分
-
3「今さらカネが原因とは考えにくい」楽天・マー君“電撃退団”のなぜ…移籍で「神の子」復活はあるのか?
集英社オンライン / 2024年11月25日 17時20分
-
4コロナ新しい変異株「XEC株」はどんなウイルスか 「冬の対策とワクチン接種の是非」を医師が解説
東洋経済オンライン / 2024年11月26日 9時0分
-
5【速報】東京・足立区のコンビニ駐車場で59歳男性が殴られ死亡 口から血を流し… 中年男が逃走中 傷害致死疑いも視野に捜査 警視庁
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月26日 10時2分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください