仏、干ばつと電力不足に悲鳴
Japan In-depth / 2022年8月5日 11時40分
2022年7月15日に、ゴルフェック (タルン エ ガロンヌ)、ブラエ (ジロンド)、サン タルバン (イゼール) の原子力発電所が、環境規則から一時的に除外の要請をしていた。すでにこれらの原子力発電所では、一時的に稼働停止を余儀なくされて環境規則を厳守したままでは電力発電ができない状態だったのだ。要請は受け入れられたが、8月8日までの期限付きだ。しかし、8日ごろからは熱波も去って涼しくなる予定となっているので、今後どうなるかは状況次第となるだろう。
猛暑で例年よりクーラーなどの使用が増加し消費電力量も増加するなか、降水量は去年より89%も少ないという状況のフランス。大きな柱となる原子力発電が思うようにできず、フランス国民は、節電、節水を求められる夏となっている。
■ EU諸国は廃水を再利用しなければならないと欧州委員会が警告
しかし、猛暑も水不足もフランスだけの問題ではない。現在、欧州の大部分が直面している問題でもある。とくに水不足は、2030年までに欧州の河川流域の半分に影響を与える可能性が高いとされており、処理された廃水の再利用を学ぶ必要があると、8月3日に欧州委員会から警告がだされた。
「淡水資源は不足しており、ますます不足していきます。水の浪費を止め、この資源をより効率的に使用することは私たちの義務です」
と、環境委員会が農業部門での水の再利用についてEU加盟国に助言したのだ。
欧州委員会が提供したデータによれば、EUでは毎年400億m3以上の廃水が処理されているが、再利用されているのは9億6400万m3にすぎないという。飲み水は困らないとしても、今後、農業、工業などの分野での水不足が懸念されることになるというのが環境委員会の意見だ。
このように、水不足を伴う危機は今年だけではない。今年を乗り切るだけではなく、欧州では未来に向けてさらなる努力が求められているのだ。
<参考リンク>
干ばつ:わずか9ミリの降水量、フランスで7月にこれほど乾燥したツキはない
熱波:南東部の26の部門がオレンジ色の警戒態勢を維持
原子力:「地球温暖化に強いためには、発電所が適応しなければならない
トップ写真:気温が40度近くにまで上がる中、エッフェル塔の前の噴水で涼む人々(2022年6月18日、フランス・パリ) 出典:Photo by Kiran Ridley/Getty Images
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
≪どうなる? 日本のエネルギー確保≫ 東北電力・女川原発 再稼働の決断と課題
財界オンライン / 2024年11月22日 7時0分
-
【浜岡原発】再稼働目指す中部電力…原子力規制委との意見交換に続き地元自治体や県に進ちょく状況説明(静岡)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2024年11月14日 17時23分
-
再稼働に向け審査続く…浜岡原発の防波壁を高さ28mに嵩上げへ 中部電力「新規制基準の適合性確認へ努力」
東海テレビ / 2024年11月14日 11時53分
-
【浜岡原発】津波対策で整備した「防波壁」…海抜28メートルに“かさ上げ”する方針固める(中部電力)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2024年11月12日 17時17分
-
アングル:スリーマイル原発、AI電力需要で進む前代未聞の再稼働プロジェクト
ロイター / 2024年10月28日 8時14分
ランキング
-
1【斎藤元彦・兵庫県知事の応援団に密着取材】「文書問題なんかマスゴミが捏造しただけ」「斎藤さんは令和の二宮金次郎」… それぞれが支持する理由
NEWSポストセブン / 2024年11月26日 6時59分
-
2コロナ新しい変異株「XEC株」はどんなウイルスか 「冬の対策とワクチン接種の是非」を医師が解説
東洋経済オンライン / 2024年11月26日 9時0分
-
3【速報】東京・足立区のコンビニ駐車場で59歳男性が殴られ死亡 口から血を流し… 中年男が逃走中 傷害致死疑いも視野に捜査 警視庁
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月26日 10時2分
-
4高崎駅前のホテルで女性客が3人組に携帯電話奪われた強盗事件 2人目の少年(17)を逮捕
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月26日 6時57分
-
5「今さらカネが原因とは考えにくい」楽天・マー君“電撃退団”のなぜ…移籍で「神の子」復活はあるのか?
集英社オンライン / 2024年11月25日 17時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください