「風が流れを変える」再エネにかける北の町
Japan In-depth / 2022年8月7日 11時0分
写真)石川町長
©︎Japan In-depth編集部
石山氏は、北海道から本州への海底ケーブル構想にも言及、北海道道南における再エネ電力を本州日本海側に供給する構想を描く。8月27日には「ゼロカーボン北海道 洋上風力事業推進シンポジウム in 松前」を開催し、洋上風力発電の最新動向や、導入による地域振興、雇用創出などの経済効果、漁業との協調などをテーマに、北海道における洋上風力事業の可能性などについて議論する。
確かに、風力発電所の増設や、将来の洋上風力発電所による建設特需はあるだろうが、特に後者は実際に建設が決まったとしても、始まるのは今から10年後くらいになるだろう。そこまで悠長に待ってはいられない。
再エネを使ったデータセンターや水素工場建設、EV/PHEVの導入など、町はゼロカーボンに向けた取り組みの青写真を描くが、それがどう人口減少に歯止めをかけ、経済活性化に結び付くかが見えない。
6日夜は、リエネ松前風力発電所の再エネ電力を活用した町の商工会議所青年部主催のプレミアムサマーフェストが開催され、多くの町民が出店やくじ引きを楽しんだ。
写真)松前町商工会議所青年部主催プレミアムサマーフェスト リエネ松前風力発電所の再エネ電気が活用された
ⒸJapan In-depth編集部
子どもたちの笑い声が響く中、石山町長に経済活性化のビジョンを再度問うと、
「風が流れを変えるのさ・・・」
そう、力強く繰り返した。風力発電に対する町の期待の大きさを改めて感じた。再エネ化は確かに時代の流れでもあり、風況が良い北海道にとって風力発電は最適解だろう。しかし、それだけでは町の経済活性化は難しい。
他の自治体の先行例はいくつもある。和歌山県白浜町はICT企業の誘致に熱心で、先月、南紀白浜空港に隣接する県所有の「空港公園」に今秋開所するビジネスオフィスに、東京のIT企業の進出が決まった。豊かな自然と町の担当者の熱意、町が用意した様々な利便性が決め手だったという。
香川県小豆島は、室町時代の名残である「迷路のまち」。民間企業である小豆島ヘルシーランド株式会社が、アート事業や地域事業をおこなってるのが特徴で、同社が運営する妖怪美術館は、瀬戸内国際芸術祭と夜の小豆島観光を盛り上げるために、妖怪美術館館長でもある妖怪画家柳生忠平とめぐるナイトミュージアムツアーなどユニークな企画を続々誕生させて、内外に人気を博してきた。
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