1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

中国北戴河会議(続報)

Japan In-depth / 2022年8月20日 0時0分

さて、8月15日、中国共産党機関紙『求是』が、習主席の「全党は必ず新しい発展理念を完全かつ正確かつ全面的に貫徹しなければならない」(d)という重要演説を掲げた。


ただ、この記事の最後には「習近平総書記が2021年1月28日第19期中央政治局第27回集団学習で語った講話である」という但し書きが入っている。なぜ、1年半以上も経って、この時期に未発表の演説が公表されたのか不明である。


その中で、習主席の主張する「新発展」とは、2015年10月の第18期中央委員会第5回全体会議ですでに提案された「古いもの」に過ぎない(e)。この演説のタイトルが「全党」に向けられたのは、北戴河会議後、習主席が党に何等かの説明をする必要があったことを示しているのではないか。


また、記事のタイトルに「must」という言葉が使われたのは、高い所から圧力をかけている事を意味する。逆に言えば、党内の多くの人が習主席の言葉に耳を傾けず、主席の政策に反対している事を示唆しているのかもしれない。


今年に入り、習主席は「ゼロコロナ政策」への揺るぎない決意を繰り返し公言した。けれども、西安、長春、上海など全国各地で極端な統制措置が続き、経済と国民生活に大きな打撃を与えた。そのため、人民の不満が高まっている。


一方、8月16日、李克強首相は広東省深圳市に現れ、同市の経済状況について大規模なシンポジウムを開いた(f)。そこでは李首相がリラックスした表情で輝いていたという。おそらく、北戴河で首相の地位が更に高まったのではないか。


翌17日付『人民日報』は、第1面で「李克強は、主要経済大省(経済規模の大ききな省)の指導者を対象とした経済情勢に関するフォーラムを主宰し、次のように強調した。経済安定回復の中で経済大省が担うべき役割とは、市場主体の雇用安定と物価安定を保ち、基本的な国民生活を保障する事である」(g)という記事を掲載した。


同会議には、広東省党書記と広東省長、江蘇省長、浙江省長、山東省長、河南省長、四川省長らが出席した。


李首相は、会議中、国全体のGDPの45%を占める主要経済6省は、安定した経済を支える重要な役割を果たすため、勇気をもって行動する必要があると檄を飛ばしている。


〔注〕


(a)『RFA』


「孫春蘭副首相、海南省観光客15万人の立ち往生を認定 当局がついに謝罪」


(2022年8月14日付)


(https://www.rfa.org/cantonese/news/covid19-08142022055149.html)。


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください