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東京大学教養学部事件

Japan In-depth / 2022年8月27日 23時2分

なぜ、教養学部は7月27日と8月16日で主張を一変させたのだろう。それは、この問題が大事になったからだ。この間の7月28日に杉浦君は代理人弁護士名で東京大学本部に問合せし、8月1日には東京新聞が報じている。そして、8月4日には、文科省で理科3類の同級生と共に記者会見し、多くのマスコミが報じた。教養学部だけの問題だったのが、東大全学の問題へと拡大した。


教養学部の主張が一貫しないのは、これだけではない。同学部は、8月16日の杉浦君への回答で「今回の成績確認申請の結果、17点が加算された学生については、特段の通知を行っていません。」と説明した。しかしながら、これも嘘だった。杉浦君には連絡していないが、もう一人の学生には8月23日に「次の科目で成績訂正がありましたので、UTAS(学内情報システム)にログインの上ご確認ください」と連絡している。


これが、杉浦君が提訴に至った背景だ。教養学部の対応は不誠実だ。学生が抗議したら減点し、追及されれば、場当たりな言い訳で誤魔化す。こんなことが許されて言い訳がない。今回の指導教員は、広島大学を卒業した三十代の男性だ。職位は助教である。彼が独断で、このような行為をするとは考えにくく、教養学部全体での慣行となっていたのだろう。


なぜ、こんなことが罷り通るのか。それは、東大が進学選択制度を採用しているからだ。東大では、新入生は教養学部に所属する。文科一類から法学部、理科三類から医学部などを除き、三年生以降の進学先は、二年生前期までの成績評価に基づいて行われる。理科一類や二類から医学部医学科や理学部物理学科への進学を目指す学生は、入学後も勉強に明け暮れる。毎年、数点差で進学を諦める学生が大勢いる。


進学選択制度は、多くの学生の人生に影響する。もし、点数の取り違えが起こっているなら、過去を検証し、改善策を考えねばならない。ところが、教養学部は、8月19日、東大新聞の取材に答え、「成績評価に疑義があったとしても、単位が認定された学生は訂正の機会が与えられない現行の制度について、教養学部は見直す余地はない」と回答した。


これが我が国の最高学府である東大の実態だ。


<編集部追記>


東京大学教養学部は8月1日付の東京新聞の記事「感染し単位不認定 東大生留年危機」に対し、8月5日、同紙の報道が事実を正確に反映しない一方的なものとして「東京新聞の報道に対する抗議文について」(8月5日)との抗議文をHPに開示していた。しかし、8月9日付けの東京新聞編集局の回答を受け同抗議文を削除した。現在は、「東京新聞の報道に対する抗議文について」の掲載削除について、と題して削除の理由をHPに公開している。


東京大学教養学部森山工学部長名で出された抗議文などによると、同大は、男子学生が単位を取れずに留年することになったことと大学の新型コロナウイルス罹患学生への対応は無関係であると主張しているようだ。留年の原因は所定の手続きを踏まなかったため、というのが同大の見解で、両者の主張の隔たりは大きい。この問題が法廷に持ち込まれたことで、決着は長引くことになりそうだ。


トップ写真:現場からの医療改革推進協議会シンポジウムで講演する杉浦蒼大君(2021年11月27~28日、東京にて):筆者提供


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