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中国請負企業の工事で死者 バングラ

Japan In-depth / 2022年8月31日 13時12分

 


★ 入札価格が安いので落札


 バングラディシュの捜査当局や建設に関わる地元役所や政府関係者などは中国企業がこのような建設工事に携わるには「安い見積もり価格で入札して事業を請け負う中国企業の姿勢」が背景にあると指摘する。


 公共事業などでは日本などでも同じように複数の業者の入札で「価格の低い業者」が受注するのが通例となっている。


 ただし日本などでは応札できる企業や事業主に安全基準や過去の実績、資金状況などを含む厳しい入札条件を示し、実質的に「悪徳業者」の参入を阻止している。


 今回の中国事業主がこうした安全基準を入札時に示していたかどうかは不明だが、事業開始の後は「十分な資金がなかったようだ」と当局はみており、それが安全対策の不十分につながった可能性があるとして調べているという。


 中国は独自の経済圏構想「一帯一路」政策に基づき、東南アジアやバングラディシュなどの南西アジア、アフリカなどで多額の経済支援と共に大型プロジェクト参入、投資や企業の誘致などで「開発支援」を行っている。


しかしスリランカのように債務が返済できずに財政が破綻する「債務の罠」の危険性が指摘されて、国際的に注意喚起が呼びかけられている。


 インドネシアの首都ジャカルタとバンドンを結ぶ中国が受注した高速鉄道建設でも高架部分の線路を支える支柱が破損するなどの事故も報告されるなど、中国への不信が一部で高まっている。


 カンボジアでは親中政権のフンセン首相のもと、南部タイ湾に面した港湾施設建設を中国が進めており、いずれは中国海軍の寄港地になるとの懸念が周辺国で高まっている。


 この他ラオスでは中国国境と首都ビエンチャンを結ぶ鉄道が中国の資金、技術支援で完成、開通したが乗客数が低迷し閑古鳥が鳴いているとの報道もある。


 このように東南アジアでも中国はその存在感を強める一方で反発や軋轢も多くなっているのが実態だ。


 今回のバングラディシュの事故も中国企業によるインフラ整備への参入という形での「一帯一路」の一環とも言えるもので、「安かろう悪かろう」「安全無視の手抜き工事」の典型的な手法とも言えそうで、今後各国は中国への警戒をさらに強めることが必要になっている。


 


トップ写真:ダッカ市内


出典:Photo by Frédéric Soltan /Corbis via Getty Images


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