「人民日報」に踊る「改革・開放」の見出し
Japan In-depth / 2022年9月2日 18時0分
「習近平総書記は、改革・開放は党と人民が大きく時代に追いつくための重要な資産であり、中国の特色ある社会主義を堅持し発展させる唯一の道であり、現代中国の運命を左右する重要な動きであり、『2つ目の百年』という目標と中華民族の偉大な再生のための重要な動きだと指摘した」。
更に、同日付『人民日報』は、その10面でも「改革は止まらず開放は止まらない」という記事(f)を掲載している。「改革・開放は必ず全面的に社会主義現代化国家を建設して、第2の百年の奮闘目標に向かって進軍する新たな道に関する新たな1章を書く」という。
以上のように『人民日報』の見出しに、しばしば「改革・開放」の文字が躍るようになった。これは、取りも直さず、「習派」の“牙城”とされる党中央宣伝部にも、「反習派」の影響力が及ぶようになったという意味ではないか。目下、「反習派」勢力が、「習派」を“圧倒”していると見なすべきだろう。
ところで、以前、本サイトで、昨年と今年、李首相が主宰した各月の「国務院常務会議」の開催数を比較した事がある。
昨年と比べ、今年1月と2月の同会議開催数は《昨年4回→今年3回》と《2回→1回》と、共に1回ずつ減少した。まさに、李首相の存在が、“風前の灯”のような事態に陥っている(ただ、3月は昨年と今年は3回と同数である)。
けれども、党内の風向きが一変した今年4月から6月にかけて、同会議の回数が昨年と比べ、4月は《昨年2回→今年4回》、5月は《3回→4回》、6月は《2回→3回》へと増えている。なお、7月は昨年と今年は共に4回ずつ開催された。
では、8月はどうか。昨年、同会議は16日に1回開かれただけだった。
おそらく、同月前半、李首相は北戴河会議で多忙だったに違いない。ところが、8月後半なるとに、俄然、同会議が19日、24日、31日と3回も開催されたのである。李首相がその勢力を増した何よりの証しではないか。そうでなければ、同会議がこれほど頻繁に開かれるはずはないだろう。
以上を踏まえると、10月16日から始まる第20回党大会の帰趨を、ある程度予測できるかもしれない。
すなわち、「李上(アップ)習下(ダウン)」=「李首相の総書記就任、習主席の退任」である。ただし、「李上(アップ)習『不』下(ダウンせず)」=「李首相の総書記就任、習主席の国家主席・軍事委員会主席再任」の可能性も排除できない。また、現時点では、まだ「習主席3期目の総書記続投」が“絶対ない”とも言い切れないだろう。
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