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スー・チーさん さらに禁固3年 計20年

Japan In-depth / 2022年9月6日 18時0分

食事の質と量が不十分なため、毎週行われる公判に同席する弁護士が特別の食事を手配しているという。


刑務所内のスー・チーさんの動静に関しては軍政が弁護士らに口外を厳禁しているため、刑務所関係者や出入りする民間人らによる断片的な情報しか伝わってこない。支援組織や民主派団体の焦燥は高まっている。


 


■ 軍政は自由で公正な選挙実施を掲げる


今回の裁判では2020年に民主政権下で実施された総選挙に際して票の操作や選挙人登録での不正などがあり「大規模、組織的な不正が行われた」と軍政は主張して選挙法違反罪でスー・チーさんを訴追していた。


この時の総選挙では与党のNLDが圧勝したが、軍政はその選挙結果を無効としている。


現在は2021年8月1日に軍政が設置した「国家統治評議会(SAC)」が暫定政府として軍政を支えている。


SACの議長はミン・アウン・フライン国軍司令官が兼務しており「憲法に基づく自由で公正な選挙の実施」を目標に掲げているが、「自由で公正な選挙」の実施は現状では非現実的といわざるを得ない。


 


■ 元英大使に禁固1年の判決


中心都市ヤンゴンにあるインセイン刑務所内に特設された裁判所は9月2日に英国の元ミャンマー駐在大使だったビッキー・ボウマンさんに対し入国管理法違反の罪で禁固1年の実刑判決を下した。


ミャンマー国内でビジネス支援活動行う団体の代表を務めるボウマンさんは入管に届け出ていたヤンゴン市内の住居から移転した際に入管への届け出や許可をしなかったとして入管法違反で8月24日に身柄を拘束され、訴追されていた。


ボウマンさんの夫でミャンマー人芸術家のテイン・リン氏もボウマンさんの入管法違反幇助の罪で訴追され、裁判で同じく禁固1年の判決を受けた。


ボウマンさん夫妻の裁判は身柄拘束から10日で結審して判決が言い渡されるというスピード裁判だった。


ボウマンさん夫妻の「早期釈放」を求めていた在ミャンマー英国大使館や英外務省などからの要求をはねつけ、英政府が実施しているミャンマーへの経済制裁に強い姿勢を示すことでプレッシャーをかけたいとの意向が軍政に働いたとの見方が有力だ。


 


■ 日本人久保田氏は以前拘留中


一方、7月30日にヤンゴン市内で行われた反軍政デモを取材中に当局に身柄を拘束された映像ジャーナリストの久保田徹氏は8月16日にヤンゴンのインセイン刑務所内の特設裁判所で初公判が非公開で行われた。それ以降は動静に関する情報は明らかになっていない。


久保田氏の罪は、観光ビザでミャンマーに入国しジャーナリスト活動をした「資格外活動」だが、同時に「社会秩序を乱そうとした」扇動罪にも問われているとされ、裁判の長期化が心配されている。


 


トップ写真:反軍政デモ(2021年2月16日 ミャンマー・ヤンゴン)


出典:Photo by Hkun Lat/Getty Images


 


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