中国「北部戦区」で内戦勃発か?
Japan In-depth / 2022年9月12日 11時0分
今年1月21日、習主席は「北方戦区」政治委員である劉青松を含む7人を上将に昇進させ、全員の新役職を明らかにした。
ただし、短期間のうちに「西部戦区」で3回、「中部戦区」で2回の司令官交代が行われるなど、奇妙な事が起きている。
例えば、2020年12月、張旭東が上将に昇進し、「西部戦区」司令官に就任した。しかし、2021年10月、張旭東は58歳で病死している。そこで、2021年7月、前「西部戦区」陸軍司令官の徐起零が上将に昇格し、張旭東に代わり、「西部戦区」司令官になった。
その後、徐起零は癌に冒されていると報道された。そして、わずか2ヶ月で「西部戦区」司令官を辞し、中央軍事委員会統合参謀部副参謀長として北京へ戻って来た。徐起零のあと、新疆戦区司令官だった汪海江・上将が「西部戦区」司令官を継承している。
米国へ亡命した蔡霞(元中央党校・党建教研部教授)は『フォーリン・アフェアーズ』(2022年9月6日)で、次のように指摘(d)した。
習近平は長年にわたって自分の部下を計画的に登用してきた。だが、軍将官の言葉を見ると、彼らは“習近平に対する個人的な忠誠心”と組織としての“党中央軍事委員会への忠誠心”の間で葛藤している。
実は、昨年12月、習政権のウイグル政策を批判して習主席に批判された劉亜洲将軍が、同じ将軍の弟と同時に家宅捜索を受けて、行方不明になっているという。
他方、オーストラリアの法学者、袁紅冰の党内情報によれば、劉亜洲が内部統制下にあるのは、太子党を代表して公然と「反習」を掲げ、主席の3選を阻もうとしたからだ(e)という。
ところで、本サイトで既報の通り、今年5月7日、浙江省舟州市夜空が真っ赤に染まった。翌8日午後1時過ぎ、浙江省杭州市で原因不明の大きな音が2回続けて鳴り響いている。
2日後の10日朝、首都・北京市大興区楡垡橋で戦車が走っているのが目撃された。更に、翌11日、今度は福建省福州市で夜空が真っ赤に染まっている。
以上のように、5月前半に続き、第20回党大会が開催直前に再び内戦が勃発した。これは、習主席が完全には軍権を掌握していない証しではないか。仮に、軍をしっかり握っていれば、そもそも瀋陽軍区へ行って、3選支持を訴える必要はなかったのではないだろうか。
〔注〕
(a)『中国瞭望』「突然!習近平が北部戦区司令官を代える、瀋陽で銃声が聞こえる」(2022年9月8日付)
(https://news.creaders.net/china/2022/09/08/2523453.html)
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