日英国葬、中国はだれを派遣?
Japan In-depth / 2022年9月16日 23時5分
以前から予定されていたとはいえ、両氏は夕食をともにしながら7時間もの間、協議を続けた。高官同士のこれほど集中的な意見交換は異例といっていい。
米中関係が同様に険悪な状況が続く中、日本との関係をもさらに悪化させるのは得策ではないという判断が中国側にあるようだ。
時あたかも、1972(昭和47年)9月29日、田中角栄首相と周恩来首相(いずれも当時)が北京で日中国交正常化を謳った共同声明に署名した日が近づいている。
国交正常化から半世紀を祝って文化、人的交流を中心に、さまざまな行事が両国で進行中だが、肝心の両国関係が冷え込んだままとあって盛り上がりに欠けるのは否めない。
そうした中、中国がしかるべき参列者を派遣してくれば、その後の外相会談実現、懸案になっている習近平主席の日本訪問などにつながり、関係正常化への道筋が見えてくるとの期待感がある。
■ 昭和天皇の大喪の礼には外相だけ
昭和天皇の大喪の礼の際、アメリカからはブッシュ米大統領(父、当時)、イギリスからは女王の夫君、故エジンバラ公、フランスのミッテラン大統領(同)ら各国が元首、首脳級の弔問団を派遣してきたが、中国は銭其琛外相(同)を参列させたにとどめた。
日中の歴史的経緯、国民感情を考えれば、中国としては大型使節を派遣することはできなかったろうが、大喪終了後、竹下登首相(同)は、官邸に銭氏を招き会談する厚遇ぶりを示し、国内で論議を呼んだ。
今回、70年も元首の地位にあったエリザベス女王の国葬への弔問団と比較するのは適当さを欠くにせよ、大喪の礼のような一閣僚クラスの派遣にとどまれば、日本国内における対中感情の好転は望めまい。
■ 中国も人選に腐心?
中国もそのあたりのバランス確保に腐心している可能性もある。
ちなみに、3年前、天皇陛下の即位の礼の際は王岐山国家副主席を参列させた。精いっぱいの対応だったろう。
9月27に予定されている安倍元首相の国葬への主な出席者はアメリカのハリス副大統領、インドのモティ首相、カナダのトルドー首相、シンガポールのリー・シェンロン首相ら、それなりの顔ぶれが並ぶ。
19日のエリザベス女王の国葬へは、天皇、皇后両陛下のほか、アメリカのバイデン大統領夫妻、フランスのマクロン大統領、各国の王室関係者ら、さすが元首級が顔をそろえる。
19日、27日、ウェストミンスター寺院、日本武道館へは中国から誰が姿を現すのだろうか。
トップ写真:増上寺で行われた安倍元総理の葬儀に参加する女性 日本・東京都 2022年7月12日
出典:Photo by Yuichi Yamazaki/Getty Images
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