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労働生産性上げる為、人への投資を 【日本経済をターンアラウンドする!】その1

Japan In-depth / 2022年9月22日 21時0分

といっても、今後、期待できそうな情報通信業でさえ、労働生産性も国際比較をすると低い。日本生産性本部の研究によれば「日本は主要先進7カ国の中で労働生産性上昇率が最も低く、他国に大きな差をつけられている」とのこと。これは深刻である。また、自慢の製造業では1995年~2000年ではOECD諸国でもトップクラスであったのが、2015年以降をみる順位を落とし、15~18位をさまよっている状況である。


□働き方改革の徹底できている?仕事をしている現場の風景


日本の場合は、労働者の能力は高いとされているので、労働生産性が低い理由は、第一に、ビジネスパーソン・従業員・労働者にとって働きにくい職場環境、第二に、仕事のやり方、大きくこの2つに問題があるということだと考えられる。


以下に生産性が低い現場をまとめてみた。







▲図 【出典】筆者作成


・仕事のやり方が旧来通り、DXが進まない


・組織文化が権威主義・前例踏襲主義・完璧主義に浸っている


・仕事の中身が「ブルシット・ジョブ」(意味のない仕事、つまらない仕事)ばかり


・ルールや不文律が職場や仕事をがちがちに支配、過剰管理


とまとめられる。


こうした特徴がある現場で、付加価値を高められるのだろうか?


答えはNOである。組織文化、高度成長時代の成功体験にもとづくこれらの特徴に加え、企業の意思決定の遅さといった特徴があり、結果として、生産性が低いままになる。イノベーションを起こす以前に、ダイバーシティのある(多様性のある)職場で、多様な価値観を議論・対話して、無駄な時間をなくして、楽しく・意欲をもって仕事ができるようになる、労働生産性を上げることが大前提になる。


□生産性革命のための「人的投資」


経済界では、現在、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方が叫ばれている。前例・習慣や不文律やルールに従いすぎないで、デジタル化によってつまらない作業から解放され、仕事に真剣に向き合え、自由な発想をもち、オープンに議論・対話でき、楽しく仕事し・成長でき、個々人のモチベーションを上げていかないといけない。


失われた30年を経た今、世界市場で商品・サービスが勝てなくなった。資源もなにもないのだから、人に投資し、その能力を最大限に生かし、人と人の相互作用で労働生産性を上げていき、イノベーションを促すべきだろう。今こそ、「生産性革命は未来への投資である」という亡き安倍晋三元首相の遺志を継ぐべき時は今なのだろう。岸田政権に期待したい。


(続く)


トップ写真:東京のビジネスマン(イメージ) 出典:Photo by Frédéric Soltan/Corbis via Getty Images


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