「国葬」で国論二分、に違和感
Japan In-depth / 2022年9月30日 13時37分
多くの人が指摘した通り、国葬で最も心を打たれたのは菅元首相の弔辞だった。「総理大臣官邸で共に過ごし、あらゆる苦楽を共にした7年8カ月。私は本当に幸せでした。私だけではなく、すべてのスタッフたちがあの厳しい日々の中で、明るく生き生きと働いていたことを思い起こします。何度でも申し上げます。安倍総理、あなたはわが国、日本にとっての真のリーダーでした。」菅元首相の弔辞後、会場では、通常あり得ないことだが、自然発生的な拍手が湧いた。筆者も思わずその拍手に加わった。この拍手こそが今回の「国葬」の全てを物語っていたのではなかろうか。
〇アジア
ワシントンで米国と太平洋島嶼国の初の首脳会談が開かれている。フィジー、パラオ、中国と安全保障協定を結ぶソロモン諸島など12の島嶼国首脳が参加しているそうだが、共同声明の取りまとめを巡り一部の国が難色を示し、調整は難航しているらしい。米国がこれまで手を抜いていた分の大きなツケが回ってきたということか。
〇欧州・ロシア
ロシアとドイツを結ぶ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」につき、デンマーク軍は3か所でガス漏れが確認されたと発表、同国外相は「ガス漏発によるもので意図的な行為だ」と述べた。万一これがロシアによる破壊工作だとしたら、馬鹿としか言いようがない自殺行為だ。これでは今後ロシアとビジネスをする国はなくなるだろう。
〇中東
イランでスカーフのかぶり方をめぐり「風紀警察」に拘束された女性の死亡をきっかけに抗議デモがイラン各地に広がっているそうだ。発生から10日経っても収束の兆しはなく、死者は少なくとも計41人に達したという。イランのイスラム体制の最大の敵はシャーの時代に曲がりなりにも世俗主義を経験したイランの女性たちなのか。
〇南北アメリカ
バイデン大統領がワシントン市内でのイベントで、8月に事故死した共和党の下院議員について「ジャッキーはここにいる? どこだろう?」とつぶやく一幕があり、共和党やメディアからは「失言」「しくじり」と批判されているそうだ。でも、バイデン氏はもう79歳なのだから、その程度のことは日常茶飯事なのかもしれないが・・・・。
〇インド亜大陸
モディ首相が国葬に来てくれたことを評価する声が少ないのはなぜだろう。カナダ首相が来なくなったことを揶揄する報道もあったが、米副大統領、豪首相、印首相が揃えばQUADではないか。カナダには申し訳ないが、G7だけが主要国じゃないことすら分からないのが、日本の内政担当政治部記者の弱点だ。今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは今週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。
トップ写真:安倍元総理の国葬にて祭壇に向かう安倍昭恵さん(2022年9月27日) 出典:Photo by Eugene Hoshiko/Pool/Getty Images
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