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【TechBBQ】デンマーク流スタートアップイベントの実態

Japan In-depth / 2022年10月10日 21時50分

TechBBQのイベント責任者であるミケル・ベンディクセン(Mikkel Bendixsen)氏は「紙の代わりにイベントアプリを使用することで、参加者にとっての利便性も向上した」と語っている。例えば、「イベントのアジェンダに土壇場で変更があった場合、すべての出席者はリーフレットを再印刷して配布する必要なく、アプリで直接通知できる」[1]







▲写真 Slidoで集められた質問に答える登壇者:筆者提供


■ イベント開催中も忘れない「環境配慮」


上記のデジタルを生かしたコミュニケーションの恩恵は、参加者と開催者の利便性の向上だけにとどまらない。プログラムと会場マップはアプリから確認できることで、イベントは完全ペーパーレスで実施され、環境にも優しいイベント運営を可能にした。さらに、再利用可能な水筒の持参や、自転車や公共交通機関の利用など、参加者にも環境を配慮するように呼びかける徹底ぶりである。


正直なところ、筆者は一参加者として、スマートフォンでしか会場マップを確認することができないことを若干不便に感じた。しかしながら「スカンジナビア最大のスタートアップサミット」である本イベントがこのような形で環境配慮を強調し、啓蒙することには一定の意義を感じる。


また、参加者にはイベント期間中に使用するネームカードが配布される。このネームカードのストラップ部分には「Made from recycled plastic」の表記があり、細部からも環境に配慮していることが伝わってくる。さらに、イベント後にはこの再生プラスチック製のストラップを返却するよう呼びかけている。これにより再利用が可能になるという。







▲写真 イベント参加者に配布されるネームカード:筆者提供


■ 幅広い業界のTech企業


筆者が実際に参加して驚いたのは、出展していた「スタートアップ企業」の業界が想像以上に多岐にわたっていたことである。また、イベント運営だけでなく、多くの出展企業も環境保全に配慮していることが印象的であった。ここからは、興味深いと感じた異なる2つの業界のスタートアップ企業を紹介する。


exo360


整形外科分野向けに、回復時間、再負傷、手術可能性を低減させるギプス包帯を開発・販売している。ギプスは3Dプリンタを利用して製造されるところに、この企業の特徴がある。また、熱可塑性ポリウレタン(TPU)を用いて、腕の部位により硬さが異なるクッションを作成し、外側を堅いプラスチックで覆っている。TPUはマルチプルプリンタで製造可能で、リサイクルもできる。全てのパーツをパートナー企業に依頼し、リサイクルする。環境保全を考慮し、リサイクルできる素材を使用するという点からSDGsに対する意識の高さを伺い知ることができる。







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