中国軍兵士5000人が駐屯 南シナ海
Japan In-depth / 2022年10月13日 23時0分
しかし中国政府は一貫してその裁定を無視してその後も島嶼や環礁を埋め立て、造成して軍事基地化を一方的に進めて現在に至っている。米インド・太平洋艦隊などによるとミスチノフ礁、スビ礁、ファイアリー・クロス礁の3カ所は滑走路、レーダー施設、航空機用のハンガー、関連軍事施設が完備した巨大人口島で米側などは「ビッグ3」と呼んでいる。
■ 次々と新行政区を創設、既成事実化
中国は2012年にミスチノフ礁や中沙諸島スカボロー礁の周辺を、三沙市とする新たな行政区をこれも一方的に設けた。さらに2020年には南シナ海の西沙、中沙諸島を含む西沙区と南沙諸島の南沙区からなる地方行政区を新設した。南沙区の中心はフェアリー・クロス礁に置かれた。
三沙市の中心であるウッディ島は2700メートルの滑走路を備えた空軍基地も建設されており、完全な軍事拠点となっている。三沙市全体には約1800人の民間人、軍人が居住しているとされる。
■ 中国共産党大会控えて行動自制か
こうした中国による一方的な実効支配と軍事基地化が進む南シナ海だが、フィリピンでは10月初め、スカボロー礁周辺海域でフィリピン船籍の漁船40隻が操業しているのが確認された。漁船はフィリピン沿岸警備艇2隻が警戒、監視する中での操業となった。
スカボロー礁は中国が実効支配する環礁だが、フィリピン・ルソン島の西方約230キロに位置し自国の排他的経済水域(EEZ)内にあるとしてフィリピンは領有権を主張している。
こうしたフィリピン漁船の操業にはこれまで中国海警局船舶などが出動して、妨害などの示威行動に出るケースが多かったが今回は特に問題がなかったようだ。
これは習近平国家主席の続投を議論する5年に一度の中国共産党大会が10月16日から北京で開催されることから、対外的に批判を浴びる行為を極力自制するのではないか、との見方も出ている。
トップ写真 出典:Photo by Ezra Acayan/Getty Images
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