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軍を掌握していない習主席に3期目あるか

Japan In-depth / 2022年10月17日 9時39分

習主席に不当な扱いを受けたのは、陸軍司令官に“昇格”した李橋銘と東部戦区司令官の林向陽だった。林は、昨年8月、中部戦区に異動となった。しかし、4ヶ月後、再び東部戦区へ戻って来たが、そこにはすでに司令官ポストがなかった。だが、先日、林が東部戦区司令官に“再任”されている。


この2人をそれぞれのポストに任命したのは軍事委員会であり、軍が江沢民指揮下に入ったことを示すと考えられよう。


各戦区は戦時中の作戦遂行に責任を負うが、平時の兵員移動の権限はない。兵員移動の権限は軍事委員会にあり、陸軍司令官が実行に移す。


したがって、陸軍司令官の李橋銘と東部戦区司令官の林向陽が組んで、合法的に軍隊を動かして、あらゆる軍事任務を達成したのではないだろうか。


まず、東部戦区は、上海を中心に防衛区域内に軍事封鎖線を構築した。おそらく軍事委員会が江沢民と元老派の命令に従って、党大会前後に軍事クーデターと暴動を防止するため健全な戦略計画を立てたのだろう。


南部戦区・西部戦区は軍事委員会の命令と陸軍司令官の署名がなければ勝手に移動することはできない。北部戦区の野戦部隊は、今も李橋銘の指揮下にあるという。


軍事委員会は、東部戦区と中部戦区の2大戦区を主戦力として、北京方向に戦略的抑止力を発揮させる構えのようだ。両戦区合計100万人近い鉄壁の軍隊が、首都を北に見て、出動の準備をしているという。


江沢民の圧倒的な軍事力を前にして、習主席は、中央警備局等を使って「反習派」を逮捕し、北京を封鎖して再選を果たすという思惑は、すでに無効化しているのではないか。


実は、国慶節期間中、習主席が上海にいる江沢民を訪問したという情報がある(d)。それによると、兪正声・元政治協商会議主席と張徳江元全人代委員長が「習派」と「反習派」間の調整に乗り出したという。


習主席は3期目再選、そして、2年半、つまり半期だけ総書記に就任するという妥協案が提示された。だが、江沢民・習近平会談は、わずか30分で物別れに終わった。習主席の妥協案は、江沢民に拒否されたと見られる、と報道されている。




 




〔注〕


(a)『中国瞭望』「7中全会での最新状況を暴露:習主席が再選に挑戦、軍は明確な態度表明」(2022年10月10日付)


(https://news.creaders.net/china/2022/10/10/2534721.html)。


(b)『天下論壇』「江沢民は習近平を捨て李克強を支持、軍の手厚い保護下にある」(2022年10月4日付)


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