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金沢の空き校舎、住民の思いで未来につなぐ 「高岡発ニッポン再興」その31

Japan In-depth / 2022年10月21日 16時26分

▲写真 「金沢未来のまち創造館」フロアマップ 出典:筆者提供


託児所は1回500円で、生後6カ月から就学前までの乳幼児が対象となっています。


4時間まで使えます。オフィスや研究所は全て埋まっています。調理室では料理教室などが開かれたりしています。


このほか、子どもたちが3Dプリンターを使って自由につくったりできる場所や、起業家らが集えるコワーキングスペースなどもあります。


さらに、注目されるのは、4階の「食の価値創造」スペースです。こちらでは、医療用の遠心分離機を備えています。それを使った料理方法の研究ができるのです。従来の調理のイメージを一新します。







▲写真 「金沢未来のまち創造館」内部 出典:筆者提供


それではこの空き校舎の転用、いったいいくらかかったのでしょうか。総事業費は9億1000万円です。このうち50%は国からの交付金です。社会資本整備総合交付金と呼ばれるものです。残りの4億5500万円のうち、一般財源は1割。つまり、4500万円です。残りの4億1000万円は、借金することになりますが、そのうちの一部は、国から戻ってきます。ちゃんと、市の負担が大きくならないように配慮しています。


金沢市は、空き校舎に関して、まずは地元の人の思いを考慮しました。そして、金沢の未来にとって何が必要かを考え、「金沢未来のまち創造館」が誕生したのです。そのために、いい条件の財源を探したのです。


高岡の空き校舎問題は、まず「財源ありき」で議論がスタートしました。新校舎の建設には巨額の費用がかかるので、「有利な地方債」、いい条件の借金をしなければならない。このためには、5年以内の解体か売却、という流れになっています。地元住民の思いを残すという議論はありません。私はそれに違和感を抱きます。金沢視察は大いに役立ちました。次はコミュニティバスについてお伝えします。


(つづく)


トップ写真:廃校になった旧野町小学校が「金沢未来のまち創造館」として転用された 出典:筆者提供


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