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岸田政権の経済政策の「人的資本」に注目!【日本経済をターンアラウンドする!】その6

Japan In-depth / 2022年11月9日 18時0分

・コーポレートガバナンス改革の推進(調査研究事業)(金融庁)【再掲】





・上場会社の会計監査を担う監査事務所の信頼性確保や企業の内部統制の実効性向上等を通じた市場機能の強化(金融庁)





・人的資本に関する国際的な開示ルールの策定の推進(金融庁)





【出典】物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策





これだけ本気になっていることは注目すべきだろう。





■ 各政策はつながっている?





岸田政権もこれまで





1.人的資本の可視化





2.ジョブ型雇用





3.リスキリング





について強調してきた。これらはつながっているのだ。解説しよう。









▲図 【出典】筆者作成





①人的資本可視化、つまり、人事関連の情報の可視化によって人事の課題が明確化される。費用(総人件費用・外部人件費用・給与と報酬の平均額・総雇用費用など)、組織風土(ワークエンゲージメント・従業員満足度・従業員のコミットメント・従業員の定着率など)を上場企業が公開することを求められている中、企業は人的資本経営に向かわざるを得ない。つまり、人を資本としてどう活用するか、について投資家をはじめ、内外に示さないといけないのだ。





そして、②ジョブ型人事制度への改革によって、これまでの「年功序列」「組織の関係性・動き方」をかえていくことだ。ジョブ型雇用とは職務内容を明確に定義して人を採用し、仕事の成果で評価し、勤務地やポスト、報酬があらかじめ決まっている雇用形態のこと。日本企業は、新卒一括採用、ゼネラリスト育成、終身雇用、定期昇給、年功序列のメンバーシップ型雇用をもう維持できないため、ジョブ型雇用は変わらざるをえない。





さらに、③リスキリングでDXスキルなど取得して従業員は自己成長していくことが求められる。制度に対応して、覚悟をもち、動けるスキルを身に着け成果創出して、活躍してもらうということだ。





まとめると、ジョブ型人事が新たな制度として全体を支え、その運用状況を人的資本可視化で明らかにし、その中で、リスキリングを機能させ、従業員に新規事業やイノベーションをおこしてもらい、結果、企業経営で収益を上げてもらうというシナリオである。





■ 失われた30年が終わる?





岸田政権の取組みは失われた30年を終わらす、日本経済をターンアラウンドする、まっとうな経済政策である。本質を理解しているし、適切な対応と言っても過言ではない。





1人当たりGDPや労働生産性など世界的にも「地に落ちた」日本経済の現状を踏まえた、本質的な改革である。前回も指摘したが、利害関係者を刺激したりすることのない政治的な高等戦略で実施を推進している。流石である。





欲を言えば、時代にあっていない、利害関係者のためにやっているような、効果が一部に限定するような他事業の事業費を大幅に削減して、この人への投資に注力してもらいたいほどだが。





とはいえ、経済政策の方向性は正しい。岸田政権に期待したい。





(つづく。その1、その2、その3、その4、その5)





トップ写真:海上自衛隊70周年記念に参加する岸田総理(神奈川県・横須賀 2022年11月6日) 出典:Photo by Issei Kato - Pool/Getty Images




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