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マレーシア総選挙 マハティール氏も立候補

Japan In-depth / 2022年11月9日 23時0分

イスマイル・サブリ首相の場合は、この洪水・大潮到来への危惧は頭から離れないようだった。事実、マレーシア気象庁は11月7日、“クランタン州、トレンガヌ州、パハン州、ジョホール州で同8-11日に洪水の危険”と警告した。洪水・高潮をもたらすモンスーン期の到来宣言といえる。


PHは11月2日に総選挙向けのマニフェスト(公約)を発表。この中でまず、生活費高騰への助成を打ち出した。また、政権奪取の暁には副首相を二人とし、そのうち一人をボルネオのサバ州ないしサラワク州の下院議員当選者から独立後初めて選ぶと表明し、マレー半島最重視を改める姿勢を示した。中国語教育中心の中学校の地位向上を認める“多文化主義”も強調した。


さらに、今回の総選挙が、本来の任期満了を経て来年9月に実施されるはずであったことを踏まえ、下院の任期固定に関する立法を公約したほか、マレーシア反汚職委員会委員長任命の透明性にも言及している。


PHを率いるアンワル元副首相は下院議員立候補者206人を指名。


UMNOのラザク総裁は7日夜、フェイスブックで「未来への道筋」と題したBNのマニフェストを発表。この中に、低所得者向けの2%の所得税減税、病院・医療従事者の充実、第5世代インターネット網の全土カバー、母親向け裁量労働制導入企業に対する減税、移民政策の緩和、一層の外資誘致と政府系企業による一定分野への投資規制など沢山の政策を盛り込んでいる。


さて、総選挙の予想だが、独立系の世論調査機関であるムルデカ・センターが10月19日-28日に今回の選挙で選挙権を有する18歳以上の1,209人を対象に行った調査によると、国として悪い方向に向かっているとの答えが72%を占め、良い方向に向かっているとしたのは20%に過ぎなかった。


悪い方向とした理由としては、32%が経済的な懸念、27%が政治的な不安定、12%が不十分で乏しい行政能力、8%が質の悪い指導性/幸福感無し、3%が人種問題を挙げた。


BN主導政府の承認度合いは9月調査の38%から31%に低下する一方、不承認度合いは51%から60%に上がった。承認度合い31%は、UMNOが敗れた2018年5月の総選挙時の39%(調査は4月)に比べても低い。非マレー人とマレー人のBNに対する不承認度合いはそれぞれ、83%、48%だった。


支持連合別では、PHが26%(9月調査では27%、以下同)、BNが24%(27%)、PNが13%(9%)、GTAその他が2%(5%)、支持連合無しが31%(31%)、回答拒否が4%(2%)となっている。


独立後15回目を迎える今回の総選挙での約2,117万人の選挙民のうち、初めて有権者となる18歳以上の若者は780万を数える。若者の間では清潔度が大きな判断基準のようだが、どのくらいが投票に行くのかの予測が難しいといった声が報道されている。


今回も立候補した97歳のマハティール氏は、“BNとPHが連携する”などと早くも観測気球を上げている。UMNO陣営などは“同氏の常套手段”などと不快感を漂わせている。いずれにしても、選挙委員会は過半数を占める連合が出るまで待つ構え。選挙後の政党の離合集散は必至だ。


また、被害が甚大になりがちな洪水の行方も気になるところだ。


トップ写真:メディアに語るマハティール・モハンマド元首相(2022年11月5日) 出典:Photo by Annice Lyn/Getty Images


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