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昔の中国へ回帰する3期目の習政権

Japan In-depth / 2022年11月12日 11時7分

庶民は供販組合の支配下で屈辱と恐怖を味わっているが、商品を支配し、人々を支配したこの組合が復活したのである。


第20回党大会以降、中国全土で供販組合が急増している。直近では、共産党の中華全国供給販売協同組合本部が公務員の募集案内を出した。農村部では、すでに5万に及ぶ組合が発足したという。


最近、共産党は供販組合制度の復旧を加速しており、必要な人員は予想をはるかに超えている。少し前、湖北省のメディアは、同省が1300以上の草の根の組合を復興させ、基本的に省内の町村をカバーしていることを明らかにした。その中で、供販組合の会員数は45万人を超えている。


中国共産党第20期1中全会が閉幕した翌日(10月24日)、中央政府のホームページに、公務員当局が中央当局とその直属機関の2023年の公務員試験と採用方法を発表した。


中華全国供給販売協同組合が組合員の試験と採用を計画し、優秀な若者の応募を歓迎するという情報が掲載されている。


募集条件によれば、供販組合の応募者は、高等教育を受けたことを証明する書類、草の根労働者などの場合は過去の職務経験を証明する書類を提出する。そして、筆記試験と面接を受ける。


浙江、広東、江蘇、河北、安徽、四川、貴州等の各地方政府は、微博(中国版ツイッター)に求人広告を掲載したという。


近い将来、鄧小平路線の「改革開放」の特徴である市場経済が次第に衰退し、計画経済が復活するだろう。物質欠乏の時代が、未来に近づいていることを悲観的に予見している人もいる。


ベテランメディア関係者の雷歌は、この動向は「習主席の中国発展の戦略的ビジョンに不可欠なものだ」と、メディアのインタビューに答えた。


習主席は、米国式の西洋近代文明に対して、いわゆる「中国の特色ある社会主義」路線を追求している。そのため、欧米社会から包囲網を敷かれるに至った。これが、中国がこの5年間で直面した厳しい現実である。


既述の如く、かつて中国での「集団化」は失敗したと言っても過言ではない(人民公社の設立と解体)。問題は、なぜ習主席がこれほどまでに供販組合の「組織化」にこだわっているかだろう。


結局、主席は自分の“絶対的権力”を内外に見せつけるために行おうとしているに過ぎないのではないか。人民の苦しみを顧みず、習政権は共産党の昔の“過ち”を再び犯そうとしている。習主席の周囲にいる人間は皆“イエスマン”なので、この“過ち”をとどめる事は難しいのではないだろうか。




 




〔注〕


(a)『中国瞭望』「中国人が同意すれば...習近平は成功したことになる」(2022年11月9日付)


(https://news.creaders.net/china/2022/11/09/2545093.html)。


(b)『万維ビデオ』「中国共産党の供給販売協同組合が復活、物不足経済の悪夢が到来」(2022年10月31付)


(https://video.creaders.net/2022/10/31/2542032.html)


トップ写真:第20期党中国中央委員会の常務委員が記者会見に出席(2022年10月13日) 出典:Photo by Lintao Zhang/Getty Images


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