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マレーシア総選挙 連立が焦点

Japan In-depth / 2022年11月22日 17時16分

そうなると最大議席を獲得した「希望連盟(PH)」の指導者であるアンワル元副首相の長年の念願である「首相就任」の可能性は薄くなってくる。


アンワル元副首相はもともとマハティール政権の1993年から1998年まで副首相を務め、マハティール首相の有力な後継者と目されていた。しかし同性愛疑惑から副首相を解任されその後逮捕、釈放を繰り返し、最終的に2018年の恩赦で政治活動への復帰が本格的に可能となったという悲運の経歴の持ち主だ。


そして2018年の下院補欠選挙では圧倒的得票で当選し、「人民正義党」の総裁に就任した。 


同じ年に行われた総選挙では新政党を立ち上げたマハティール元首相率いる野党連合が勝利してマレーシア史上初となる政権交代が実現し、マハティール元首相が15年ぶりに首相の座に返り咲いた。


この時マハティール政権で連立を組んだ中にはアンワル党首の「人民正義党」もあり、連立与党となった立場から高齢のマハティール首相の早期退陣とアンワル党首への禅譲で連立与党内の意見が割れ、2020年にマハティール首相は辞任した。その後を反アンワル派とされたヤシン氏が引き継いで首相の座に就いたのだった。


こうした経緯からアンワル元副首相にとっても支持者にとっても首相就任は念願であり、今回の総選挙で過半数獲得によりその願いは実現するとの見通しだった。


しかし過半数を制することはできず、他の政党による連立が進む中で「希望連盟」は連立を組む相手探しに懸命となっている。


マレーシアの総選挙はこのように選挙後も政権を担う連立を巡って各党が水面下で激しい動きをみせているとされ、今後の動きが注目を集めている。


なお今年で97歳のマハティール氏は総選挙への出馬会見で「最後の選挙になる」と述べていたことからも北部ランカウェイ選挙区から新政党を立ち上げて立候補したものの5人の候補者中4位となる落選を受けて政界を引退するものとみられている。


マハティール元首相の政界引退は日本などを成長の手本とする「東方政策(ルックイースト)」などで計20年以上に渡ってマレーシアをけん引した有力な指導者が政界を去ることになり一つの時代が終わったことを内外に印象付けることになるのは間違いないだろう。


トップ写真:総選挙について記者会見で話すアンワル・イブラヒム氏(2022年11月20日 マレーシアのセランゴール州) 出典:Photo by Annice Lyn/Getty Images


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