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マレーシア アンワル新首相、課題山積

Japan In-depth / 2022年11月27日 0時51分

2018年の総選挙で希望連盟に敗れるまで独立後一貫して政権を担ってきたUMNO、マレーシア華人協会、マレーシア・インド人協会、サバ団結党の連合組織である国民戦線は30議席へと落ち込んだ。ボルネオ島のサバ、サラワク両州の東マレーシア諸政党が23議席を確保した。


マハティール元首相の率いる祖国連盟は議席ゼロになってしまった。租税回避地や観光地開発を手掛けたランカウイ島から97歳にして立候補したマハティール氏自身も1969年来の落選を味わうことになった。同氏が獲得したのはランカウイ選挙区の全投票の6.8%に当たる4,566票。預託金を取り戻せる12.5%に及ばなかった。マハティール元首相の人気は失墜した。マハティール氏は「今後は英領時代など歴史に関する執筆に専念する」と語っている。


マレーシアの政治家は、国民のために戦うというより、自らの利益のために離合集散を繰り返す傾向が強い。24日のアンワル首相誕生に際しても、国民戦線は、希望連盟の連立に参画した。UMNOのアーマド・ザヒド・ハミディ総裁は「希望連盟、国民連盟のいずれとも連立は組まない」としていたが、希望連盟と組んだ。マハティール氏の「希望連盟と国民戦線が組むことも」との読みが当たった。


アンワル首相は、総選挙に際して出した希望連盟のマニフェスト(公約)として、生活費の高騰への助成、下院議員の任期(5年)固定化、中国語教育中心の中学校の地位向上を認める“多文化主義”などをあげた。


今回の選挙から投票資格が従来の20歳から18歳からに引き下げられ、選挙管理委員会の正式発表はまだないが、140万の新規投票資格者の75%程度が投票したと見られている。学生間では学費面での助成、女子の優遇策といったことを求める声が報道されている。アンワル首相は2023年度予算案編成で様々な要求を考慮せざるを得ない。


全マレーシア・イスラム政党と統一プリブミ党の連合である国民連盟のムヒディン・ヤシン元首相は、21日の「連立に加わるように」との国王のアドバイスに背き、政権のチェック役を担う姿勢を示している(25日段階)。


対外関係では、対中関係のバランス化を推進しそうだ。アンワル首相は24日の記者会見で「アジアの超大国である中国との関係は極めて重要で関係深化が必要」とする一方、「米国、欧州、インド、東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係も同等に重要」と述べ、バランス外交を進める姿勢を示している。


トップ写真:首相就任記者会見で講話するアンワル・イブラヒム氏(2022年11月22日) 出典:Photo by Annice Lyn/Getty Images


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