中国「白紙革命」の行方
Japan In-depth / 2022年12月2日 18時0分
デモ隊らの習近平主席の退陣要求は理解できる。しかし、万が一、共産党が「退陣」した場合、一体どうなるのか。
よく知られているように、中国は普通の民主主義国家とは異なり、共産党に代わる合法的野党が存在しない。中国民主党という非合法な政党が、地下に潜伏している。だが、同党が突然、現れても政権を担当できるとも思えない。
一方、共産党の8友党が共産党に代わって政権を担えるだろうか。所詮、弱小翼賛政党である。したがって、それも極めて考えにくい。
だとしたら、やはり人民解放軍が全面的に表に出て、軍事政権を樹立するのではないか。あるいは、清末民初のように、軍閥が跋扈する公算が大きい。
ところで、武漢市の抗議デモでは、警察、あるいは武装警察がデモ隊を蹴散らすため、発砲した(d)疑いが持たれている。
また、上海市では、すでにデモ鎮圧用車両が用意されている(e)という。明らかに、習近平政権は、人民弾圧の準備を始めたようである。
元来、習近平政権は、人民を徹底的に抑圧して管理するのをモットーとしている。「ゼロコロナ政策」もその一環である。だから、これ以上、各地でデモが激しくなれば「第2次天安門事件」(武力による人民の弾圧)が起こる可能性を排除できないだろう。
実際、習近平政策は、すでにこれを香港で行って来ている。けれども、仮に、習近平政権が「第2次天安門事件」を起こせば、米国(f)を中心とする世界(g)が中国に対する制裁が更に厳しくなるのではないか。すでに、中国経済はかなり悪化している。近い将来、経済破綻を起こしてもおかしくないだろう。
ただ、中国の政治的経済的混乱は、世界へ与えるインパクトが大きい。したがって、中国の「ソフトランディング」を期待したいのは我々だけではないだろう。
〔注〕
(a)『万維ビデオ』「勇士・彭立発の消息あり」(2022年11月12日付)
(https://video.creaders.net/2022/11/12/2546200.html)
(b)『中国瞭望』「新疆ウイグル自治区の火災、ネットでは死者44人と噂される 民衆が政府庁舎を取り囲み、市党書記を罵倒する」(2022年11月25日付)
(https://news.creaders.net/china/2022/11/25/2550784.html)
(c)『中国瞭望』「『白紙革命』に参加しても罪は問えない?ネットが武装警察拘束の詳細を暴露」(2022年11月28日付)
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