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品川区長選再選挙、森沢候補が制す

Japan In-depth / 2022年12月5日 0時44分

品川区長選再選挙、森沢候補が制す


安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)





 


【まとめ】


・再選挙となり注目を集めた東京都品川区長選、無所属新人元都議の森沢きょうこ氏が制す。


・再選挙が浸透せず、投票率は1回目より低調だった。


・区庁舎建て替えや羽田空港新飛行ルート問題など。


 


東京都品川区長選の再選挙が12月4日に行われ、即日開票されて、前回1位だった無所属新人で元東京都議会議員の森沢きょうこ候補が午後10時半過ぎ、初当選を確実なものにした。再選挙でも法定得票数を上回らない場合、再々選挙もありうるとの報道もあったが、森沢候補が自民党公認で前回2位の元品川区議会議員石田ひでお候補を圧倒した。


午後10時47分に出た最終得票数は以下の通り。(届け出順)開票率100%


石田ひでお 23,208.138


村川ひろかず   7,042


森沢きょうこ 40,695


西本たか子 11,386


石田しんご   3,113.861


山本やすゆき 20,054


当確を受け、森沢きょうこ候補は選挙本部に姿を現し、深々と頭を下げて次のように述べた。


「多くの皆さまに支援、応援いただきありがとうございました。(再選挙の)この間、訴えてきた重点政策を着実に実行していくことに尽力していきます。再選挙が決まってから本当に多くのボランティアが集まりみずからの手で地域、品川区を良くしていく人が集まり増えて参加してくれた。これこそ私が目指している区民と進める新しい区政のスタートと思っているが、投票率は残念ながら低いという現状もありますので区政とかわかりやすく参画してもらうように情報発信含め取り組んでいきたい。この2か月間、政策をブラッシュアップするためミニ集会や意見交換をしてきたが、引き続き区民との対話を続けていくことで、区民と進める新しい品川区政を実現していく、進めていく」


一方、石田ひでお候補は次のように敗戦の弁を述べた。


「森沢さんには、約束していただいたことを進めててもらいたい。庁舎建設の(区民の負担)400億円を200億円に、とか、羽田空港新飛行ルートでは「区民アンケートの実施」など、ご自身の考えがしっかりある。区民に提示してよりよい品川を作ってもらいたい。負けたことを反省し、また私自身少し休ませていただく。民間人に戻り、地域に戻って考えをまとめたい」


今回の再選挙の投票率は32.44%。前回の35.22%を下回った。会見でこの点について森沢氏は、「投票率が低いのがとても残念だった。制度が難しかった。『なんで再選挙なの?』というところからスタートして、なかなか理解されていなかったことを実感した。投票率の低さは課題だ。みなさんに関心持ってもらうよう選挙の時だけではなくて日常(発信を)やっていきたい」と述べた。


区長選挙としては異例の注目を集めた品川区長再選挙だったが、それでも区民の関心は低いままだった。品川区は羽田空港新飛行ルートによる騒音問題などがあり、本来区長が誰になるか区民にとって重要なはずなのだが、3人に1人しか投票しなかったという事実を新区長は受け止めねばならない。


また、議会は自民党、公明党の会派が過半数であり、議会運営も課題となる。森沢氏が掲げた重点政策を実現するための手腕が早速問われることになる。民間出身であり、広報の経験も豊富な森沢氏。情報発信にも期待したいところだ。


トップ写真:森沢きょうこ氏 2022年9月24日 初回区長選時 ⒸJapan In-depth編集部


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