既成の国際秩序への挑戦 【2023年を占う!】国際情勢①
Japan In-depth / 2022年12月7日 23時0分
その後、中国がとくに既成の国際秩序や国境を自国に有利な方向へ強引に崩していく動きが目立った。アメリカではトランプ前政権が2017年12月に発表した国家安全保障戦略で「中国はインド太平洋地域でアメリカに取って代わり自国の国家主導型経済モデルを拡大し、地域全体の秩序を中国の好む形に変革しようとしている」と言明した。
バイデン政権が2022年10月に出した国家安全保障戦略でも「中国は国際秩序を自国に有利な形に再編成しようと意図している」と述べて、中国のそのための軍拡への警告を発した。バイデン政権はロシアも規模や目標は異なるがアメリカ主導の国際秩序にはチャレンジしてきた、とも言明した。
アメリカへの敵対や反抗という点ではイランや北朝鮮も同様である。
この現行の国際秩序への敵対や挑戦は戦後の世界でも最大の歴史的な変動だといえる。そして2023年にはこの変動が依然、新たな国際的潮流として続くことが確実なのである。
ではこの潮流は日本にとってなにを意味するか。
アメリカ主導の国際秩序の揺らぎや崩れの進行は、その秩序の主要受益国だった日本にとって存在の基盤を壊されかねない危険を含んでいる。その既成の秩序の骨格を築いてきた日米同盟や北大西洋条約機構が揺らぐことは、日本にとって文字どおり国家安全保障の土台を失いかねない国難となりうるのだ。
(2につづく)
トップ写真:ホワイトハウスで、貨物鉄道法案に署名前に挨拶をするバイデン大統領。(2022年12月02日 ワシントンD.C.)
出典:Photo by Chip Somodevilla/Getty Images
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
米は石破首相の出方を注視 首相交代続く「回転ドア」への逆戻りを懸念
産経ニュース / 2024年11月16日 18時18分
-
バイデン氏、APECなど最後の首脳外交へ出発 影落とすトランプ氏の存在
ロイター / 2024年11月15日 8時52分
-
浮かび上がるトランプ次期政権外交 対中シフトで同盟負担増「米第一主義」鮮明に
産経ニュース / 2024年11月13日 9時59分
-
トランプ外交政策が「やりたい放題になる」根拠 2期目は好き放題にできる環境が整う
東洋経済オンライン / 2024年11月7日 18時0分
-
石破首相が提唱「アジア版NATO」は実現可能か? 現実に独裁国家が核の力で現状変更を考えている
東洋経済オンライン / 2024年10月27日 17時0分
ランキング
-
1「クマ駆除要請の拒否を認める」北海道猟友会 全道71支部に通知
HTB北海道ニュース / 2024年11月25日 18時31分
-
2大阪メトロの座席で尻にやけど…原因は「アルカリ性洗浄剤」 警察は液体が座席に付着した経緯を捜査
MBSニュース / 2024年11月25日 18時0分
-
3能登地震で不明の男性か 土砂崩れ現場で「人のようなもの」発見 石川・輪島市
日テレNEWS NNN / 2024年11月25日 20時18分
-
4「70万円あまりを11月4日に支払った」 斎藤兵庫県知事代理人が内訳も明かす 知事選の選挙活動めぐり公選法違反の可能性との指摘を受け対応 近く「請求書を公開する」とも
ABCニュース / 2024年11月25日 14時43分
-
5和歌山知事が国民民主党を批判 年収の壁巡り「無責任」
共同通信 / 2024年11月25日 16時28分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください