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ベトナム 南シナ海埋め立て強化

Japan In-depth / 2022年12月18日 7時0分

■ベトナムは埋め立てを強化


こうした中国とフィリピンのつば競り合いの一方でベトナムも南シナ海問題では中国に対して強硬姿勢を続けており、このほどベトナムが自国の海洋権益を保護するためとして南シナ海の複数の島嶼で埋め立て工事を強化していることが明らかになった。


米ワシントンの「戦略国際問題研究所(CSIS)」のアジア海洋透明性イニシアチブが発表した報告書「ベトナムの大規模な南沙諸島の拡大」では、ベトナムが過去10年間に南沙諸島に210ヘクタールを埋め立てを行ったが、中国は1295ヘクタールで工事を行い、これまでベトナムが埋め立てた総面積は中国の20%未満にとどまっていると米系放送局「ラジオ・フリー・アジア」は伝えた。


こうした島嶼や環礁の埋め立て工事などによる実効支配の試みは中国とベトナム、フィリピンの3カ国に限定されているという。


中国はこれまでにスビ島、ファイアリークロス島、ミスチーノフ島を完全に軍事拠点化し、西沙諸島のウディイ島も開発を終えているとしている。これに対しベトナムはナミット島、ピアソンリーフ、テナントリーフ、サンドケイでの埋め立てと建設工事を完了させて、軍事基地化が整っているという。


ベトナムは2022年だけで170ヘクタールの土地を開発し、過去10年で219ヘクタールとなったとしている。


詳細は明らかになっていないが南シナ海には約50のベトナムの拠点がすでに建設され、中には大型船舶の寄港が可能な港湾施設が完備した拠点もあるという。


ベトナムによる埋め立てや拠点建設は「議論の余地のない主権の行使」であるとしているが、中国は「ベトナムの拠点は民間の施設ではなく実際には軍事拠点であり、こうした動きは海域の摩擦や紛争のリスクを高める危険な行為だ」と強く反発している。


■PCAがベトナムに事務所設置


12月1日、常設仲裁裁判所(PCA)はベトナムの首都ハノイに事務所を開設したことがプレスリリースで明らかになった。PCAの海外事務所は東南アジアではシンガポールについで2カ所目となり、PCAが南シナ海問題を重視している姿勢の表れと受け止められている。


ベトナム政府はフィリピン政府と同様に中国の「九段線」が無効であるとする訴えをPCAに対して起こすことについて「その可能性を排除しない」としており、新たな動きが注目されている。


PCAの「九段線の主張は無効で国際法に違反する」とした裁定を無視し続ける中国の「国際裁定を無視しながら、フィリピンやベトナムの主権主張を非難するという傲慢で公平、不正な姿勢」が問われようとしている。


トップ写真:ホークァン漁港で魚を積み込み終わった後、ボートを片付けるベトナム漁民達(2016年8月31日 ベトナム・ダナン) 出典:Linh Pham / GettyImages


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