朝日新聞は「国宝」なのか「反日」なのか
Japan In-depth / 2022年12月31日 19時0分
しかし朝日新聞が最も朝日らしい本領を発揮するのは「歯止め」という言葉の使い方だろう。防衛論議での歯止めといえば、普通ならば日本に脅威を与え、侵略や攻撃をしかねない敵側、潜在敵側の危険な動きに「歯止め」、つまり抑止のブレーキをかけることを意味する。
ところが朝日新聞の説く「歯止め」というのは日本に対する抑止のブレーキのことなのだ。日本の安全保障を論じるのに、その日本こそが最も危険な存在だから歯止めをかけておかねばならない、とする倒錯した主張を朝日新聞はいつも中心に据えるのだ。
朝日新聞のこの立ち位置は明らかに日本ではない。日本の安全を考える政策論の冒頭がその日本自身をまず抑えねばならない、という理屈なのだ。この理屈は中国や北朝鮮など防衛面で日本を明らかに敵視する立場の側を代弁している。
だから朝日新聞はどこの国の新聞なのか、という疑問がわくことになる。朝日の主張の歴史をたどっても日本の防衛を強化する政策、そして日米同盟を強化する政策にはすべて反対してきた。この立場は中国とまったく同じである。
私が北京に駐在した2000年ごろも、中国政府機関は日米共同のミサイル防衛構想に連日のように激しい反対を浴びせていた。同時に朝日新聞もまったく同様のミサイル防衛反対のキャンペーンを展開していた。日本の防衛政策に関しては中国政府と朝日新聞の主張は奇妙なほど一致してきたのだ。
今回もそのおなじみ「中国政府=朝日新聞」という連帯の反対キャンペーンがすでに始まった。日本の安全保障を他の諸国並みにする「反撃能力」にさえ大反対するキャンペーンである。
朝日新聞のこうした基本姿勢をみると、日本の国家や国民を守る能力を日本自!が高めることに反対しているわけだ。となれば、どうしても「反日」という形容がふさわしくなる。日本の国益を害する「国害」という造語ふうの表現も生まれてくる。
だから日本の安全保障に関して朝日新聞は反面教師としての「国宝」であり、日本国の多数派の立場を敵視するという意味での「反日」、さらには日本の基本的な国益を侵害するという意味での「国害」なのだと総括せざるをえないのである。
*この記事は日本戦略研究フォーラムのサイト掲載の古森義久氏の連載コラムの転載です。
トップ写真:朝日新聞東京本社(1994年02月01日) 出典:Photo by Bernard Annebicque/Sygma/Sygma via Getty Images
この記事に関連するニュース
-
トランプ政権再び「自衛隊コレ買わないか」 第一次政権時に売り込まれたモノとは? 日本はいま“思惑どおり”に!?
乗りものニュース / 2024年11月20日 7時42分
-
浮かび上がるトランプ次期政権外交 対中シフトで同盟負担増「米第一主義」鮮明に
産経ニュース / 2024年11月13日 9時59分
-
トランプ外交政策が「やりたい放題になる」根拠 2期目は好き放題にできる環境が整う
東洋経済オンライン / 2024年11月7日 18時0分
-
焦点:不安定な日本、分断の米国、中国や北朝鮮の行動誘発か
ロイター / 2024年10月30日 15時50分
-
石破首相が提唱「アジア版NATO」は実現可能か? 現実に独裁国家が核の力で現状変更を考えている
東洋経済オンライン / 2024年10月27日 17時0分
ランキング
-
1「70万円あまりを11月4日に支払った」 斎藤兵庫県知事代理人が内訳も明かす 知事選の選挙活動めぐり公選法違反の可能性との指摘を受け対応 近く「請求書を公開する」とも
ABCニュース / 2024年11月25日 14時43分
-
2和歌山知事が国民民主党を批判 年収の壁巡り「無責任」
共同通信 / 2024年11月25日 16時28分
-
3大阪メトロの座席で尻にやけど…原因は「アルカリ性洗浄剤」 警察は液体が座席に付着した経緯を捜査
MBSニュース / 2024年11月25日 18時0分
-
4兵庫・斎藤知事、違法性改めて否定 PR会社へ金銭支払い
日テレNEWS NNN / 2024年11月25日 16時13分
-
5池袋暴走事故の飯塚幸三受刑者(93)が死亡 松永拓也さん「後悔や経験の言葉を託された。死を無駄にしたくない」
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月25日 11時38分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください