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来年の台湾総統選を巡る民進党内の紛争

Japan In-depth / 2023年1月30日 19時0分

今までの陳院長の経歴を見る限り、台南市長や行政院長を務めた頼副総統と比べ、著しく見劣りする。そこで、蔡総統は、陳建仁を行政院長のポストに据える事で、頼副総統と同等の職歴を与えたのではあるまいか。おそらく、行政院長のポストに関して、民進党内では別の候補もいたと思われる。


もし、民進党は頼清徳で一本化できれば、来年の総統選挙で勝利する可能性は高い。けれども、党内が割れていると、国民党に“つけ入る隙”を与えかねないだろう。


一方、国民党は、朱立倫党主席が総統選に出馬する公算が大きい(f)。ただし、鴻海(ホンハイ)の郭台銘が国民党の総統候補予備選に出馬する(g)事も考えられよう(前回、郭台銘は、予備選で韓国瑜に惨敗した)。




他方、民衆党の柯文哲前台北市長の動向(h)も気になるところではないだろうか。同党は全島政党ではなく、いわば“地域政党”である。しかし、柯文哲が総統選に副総統(前述の如く、国民党の朱立倫が総統候補か)として出馬すれば、票の行方が読みにくくなるだろう。実際、民衆党は民進党や国民党と支持基盤が重なる地域があるからである。

仮に、国民党と民衆党がペアを組めば、民進党は苦戦するかもしれない。

〔注〕

(a)『自由時報』「県市長でわずか5議席 民進党大敗し、蔡英文が党主席を辞任」(2022年11月27日付)

(https://news.ltn.com.tw/news/politics/paper/1553824)

(b)『自由時報』「本日、頼清徳が党主席に就任 陳其邁:総統選に勝利するためには『その責任は重く、道のりは長い』」(2023年1月18日付)(https://news.ltn.com.tw/news/politics/breakingnews/4188536)

(c)『BBC News中文』

「2020年総統選挙で民進党総統候補者となった蔡英文:勝利の鍵と厳しい挑戦」

(2019年6月13日付)





(https://www.bbc.com/zhongwen/simp/chinese-news-48621404)

(d)『聯合新聞網』「絶えず更新/陳建仁行政院長内閣改造が終了 完全リスト一度に見てみよう」(2023年1月28日付)(https://udn.com/news/story/123286/6902146)

(e)『三立新聞網』「行政院長を引き継ぐ陳建仁 柯建銘が『政治家一族』の背景を暴く:皆が考えているような政治の素人ではない」(2023年1月27日付)(https://www.setn.com/News.aspx?NewsID=1244166)

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