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中国の脅威への対処法 その2 日米同盟の片務性を減らせ

Japan In-depth / 2023年2月6日 18時0分

だから日本の防衛の強化を説いたわけである。だが前述のように、その日本の防衛の強化も、日本自身が独自の防衛力を増強することと、国家安全保障の主要部分をあずけてきた同盟国アメリカとのその同盟を強くすることの二つの方法がある。


その二番目の日米同盟の強化は、この同盟をより双務的に、より共通項を多く、アメリカへの全面依存ではなく、日本の貢献を増すことが肝要となる。ここでどうしても出てくるのは日本がアメリカを守るという行動は日本の領土、領海のなかだけに限られるという異端である。


 つまり日米共同防衛という目標がいかに熱心に語られても、日米同盟の基盤となる日米安保条約では、たとえ日本を守るために活動中のアメリカ海軍艦艇が日本の領海の1キロ外で航行中に第三国の軍隊の攻撃を受けても、日本はその被害を受けたアメリカ軍艦艇を守る義務はないのだ。こんな相互防衛条約はアメリカが多数の諸国との間で結ぶ安全保障条約のなかでも他にひとつもない。


日本はこの異端を撤廃する時期を迎えたといえる。日米同盟を相互的、双務的、つまりより公正にするためにも憲法改正によって日本の防衛への過剰な自縄自縛を撤去すべき時機がきたのだ。いまの日本の自国防衛への異様な自己はみな、憲法9条の戦争や戦力保持の否定から生じているのだから、である。


この点、トランプ前大統領は彼なりの表現で批判を述べた。粗雑な言葉だったが、的を射ていた。トランプ前大統領は在任中に『日米同盟では日本が攻撃を受ければアメリカ側に全面的に守ってもらうのにアメリカが攻撃されても、日本国民はなにもせず、自宅でソ二―のテレビでもみていればよいのだ』と語ったのだった。


この指摘は日本側は忘れてはならないだろう。


やはり日米同盟をより堅固にするためには日本側が年来の集団的自衛権の行使の禁忌を解くことだろう。せめて韓国並みに西太平洋でアメリカが攻撃を受ければ、日本の自衛隊もアメリカとともに戦えるという双務性を高めるべきだろう。


トップ写真:陸上自衛隊、英国陸軍との共同訓練


出典:Photo By Tomohiro Ohsumi/Getty Images


(つづく。その1)


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